2011年9月23日

聞き上手

恋愛の本にはしばしば聞き上手はモテると書かれています。つまりは相手の話をよく聞くということで、特に女の子は自分の話を聞いて欲しいと思っている、というのです。答えとかアドバイスなんかしなくてもいい、とにかく聞いていて、という極端な意見すらあるようです。

そういう傾向にあるということは、あたしもよーくわかっているんですが、あたし自身は昔から聞き上手ではありません。人の話なんか聞いてなくて、自分のことだけ話してしまってます。

この理由を考えてみますと、要はあたしの性格ということなんですが、もう少し具体的に言えば、他人に興味がないということです。友達がいないのも、友達を作ろうとしないのも、所詮他人が好きではないからで、好きでもない、興味のない人のことを知りたいとは思いませんし、話を聞いてあげたいとも思いません。他人のことなんてどうでもいい、それがあたしの心の根っこにはあります。

それともう一つ。

あたしくらいの世代以下は、他人と深く関わることを嫌う傾向があります。表面的な薄い繋がりで自足し、腹を割る、何でも言い合えるといった関係を嫌います。

そういう傾向を持っている人間からすると、相手の話を聞いてあげるなんて行為は、かなり相手の心に踏み込んだ態度と言えます。相手の世界に踏み込まない代わりに自分の世界にも入って欲しくない、と思うわけですから、話す話題も表面的で、それぞれが自分の関心のあることだけを話して、相手の話には適当に返事をするだけにとどめ、決して興味を持って深く入り込むようなことをしない、それが約束みたいなものです。

相手の話をよく聞く、相槌を打って共感を示す、質問したりしてさらに話を広げるなど、そんなことをしたら相手からウザイと思われてしまいます。だから、相手の出した話題をこちらから深く掘り下げることは決してしない、ということになります。

営業やっててそれでいいのか、と言われそうですが、そもそも営業マンと書店員とはビジネス上のつきあいであって友達ではありません。スタートの時点で一定の距離感を持っていますので、それを縮めなければよいだけの話です。

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