2011年9月10日

書店の万引き防止?

昨晩のフジテレビ系ドラマ「魔術はささやく」ですが、舞台は立川となっていました。多摩モノレールが何度となく登場し、それなりの親近感を覚えましたが、映像の中で塔のような建物が映っていたんですけど、立川にあんな建物があったのか記憶にありません(汗)。

そして、主人公の木村佳乃は書店の店長という役回りでした。弟を守るためとはいえ、ずいぶんと勝手に職場を放り出してしまう店長だなあという気もしましたが、まあそれはドラマということで目をつむりましょう。ただ、舞台が立川なのに勤めている書店が「オリオン書房」ではなく、「ブックファースト」というのが笑ってしまいました。それに、あの店内のシーン、どう見てもブックファーストの新宿店にしか見えなかったのですが......

いえいえ、ドラマだからいいんです。お店は新宿にあるブックファーストで、でも舞台は立川なんていうのはドラマではよくあることです。なまじ知っているから突っ込みたくなるだけで、東京に不案内な地方の人であれば、こういう点には何の引っかかりを覚えずにドラマを楽しめたのでしょう。

で、あたしもそんな突っ込みは別に引っかかるわけではなく、見知った場所が映っているということに嬉々として見ていたのです。むしろ突っ込みを入れたくなったのはヒーリング映像のところです。

木村佳乃演じる店長が働く書店に、本部からの指示だということで大きな液晶テレビが届きます。これでヒーリング映像を流すようにということだそうです。これが本当に本部からの指示なのか、それとも犯人の差し金なのか、ドラマの中でははっきりしません。とにかく書店内の広いスペースに液晶テレビが設置され、その画面で海や魚などの癒やし映像を流すようになるのです。そしてドラマでは、その映像を見たお客さんが突然発作を起こしたかのようにおかしくなってしまいます。

トリックとしては、そのヒーリングビデオにサブリミナルが仕込まれていて、万引き常習犯などはそのサブリミナルのせいで万引きを思いとどまる、といったような説明が登場人物たちのセリフで判明します。この映像というかビデオも本部から送られてきたものなのか、それともテレビごと犯人が送ってきたものなのかわかりませんが、とにかくそういうサブリミナル効果を狙ったヒーリングビデオです。

あたしが突っ込みたくなったのはここです。

サブリミナルは禁止されていますから、実際にこういうことを書店が行なったら罰せられるでしょう。ただ、今回の理屈が科学的に正しいのだろうか、というところに疑問がわきました。もちろん広い書店内、万引き犯がその液晶テレビの前を通るとは限りませんし、ましてや映像を見るとも限りません。ただ、もし映像を見たとして、ドラマの中で言われていたような万引き防止効果が得られるのでしょうか?

上述したようにサブリミナルは禁止されていますから、今回の映像もお客様の異常発作の原因を調べるために書店員が映像をチェックしていてたまたま発見したわけで、本部からは快適な空間を作り出すための一助としてのヒーリング映像、という説明しかなかったようです。つまり、もし本部の指示だとしたら、本部は現場の書店員をも騙していたということになります。

これは由々しき問題ではないでしょうか?

とまあ、こんなことを考えながら見てました。ドラマ自体は、じきに催眠による誘導だとわかりましたし、犯人についても毎回ずいぶんとタイミングよく主人公の前に現われるなあと思っていたので、ある程度は予想どおりでしたけど。

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