2011年7月25日

天下爲公

明日から東京国立博物館で、「孫文と梅屋庄吉」展が始まりますが、その開幕式、レセプションが今宵行なわれ、なんと、あたしも参加させていただきました。

単なる内覧会かと思っていたのですが、なんか博物館の正門からして重々しい雰囲気です。塀政官を使った大規模な展覧会ではないのに、ちょっと不釣り合いなほどの緊張感が漂っています。もちろん、あたしの予想に反して、思いのほか多くの人が集まっています。

と、始まった開幕式

まずは東京国立博物館館長の挨拶。更には、主催者でもある毎日新聞の社長、中国大使館公使、文部科学副大臣、梅屋翁の曽孫である小坂文乃さん、後援をしている全日空の会長などそうそうたる顔ぶれ。福田元首相なんかも来てるわけですから、そりゃ警備も厳重になりますよね。福田元首相は今回の一連の行事の準備委員会の委員長といった立場のようでしたが、ぎりぎりに来て、官庁の挨拶が終わったら退席という、「お前、いったい何しに来たんだよ、そんなんだったら来ない方がマシだよ」と言いたくなるような慌ただしさでした。

それはそうと、つい先日まで白金台の台湾文化代表処(つまりは駐日台湾大使館)でやっていた「孫文と梅屋庄吉展」とは展示物の量が異なります。やはりお金を取るだけのことはあります(爆)。ただし、こちらは中国大使館がスポンサーですから、小坂文乃さんもそのあたり、かなり神経を使ったのではないでしょうか? あたしが見た限り、羽織だけが白金台の展覧会にも出展されていたようです。

それにしても、ここへ来てどうして梅屋庄吉なの、という疑問はつきまといます。

せっかくの辛亥革命百年のアニバーサリーなのですから、孫文を支援した宮崎滔天、山田兄弟くらいはもっとフィーチャーした展覧会にしてもよかったのではないでしょうか? そのあたりにも「大人の事情」が絡むのでしょうか? でも愛知大学などに協力を依頼すれば、孫文と山田兄弟の遺品など、かなり残っていると思いますし、宮崎滔天だって荒尾には資料館がありますよね。どうせなら、そういった孫文を取り巻く日本人志士たちの奮闘を一堂に集めた展覧会をやってもらえないでしょうか? そして、それを巡回展として北京や上海、広州、台北でもやってもらいたいものです。

そうそう、孫文と言えば「天下爲公」の額が有名で、あたしもいくつか見たことありますが、この展覧会では一つも展示されていません。「博愛」もなかったですね。それも不思議です。ちょっと違和感を感じました。

それと、小坂文乃さんが日比谷松本楼の社長だからでしょうか、図録とともにお土産に松本楼のレトルトカレーをいただきました。なんとパッケージが孫文です。もちろんレセプション会場でも振る舞われていましたので賞味しました(笑)。美味しかったです。



あと個人的には梅屋庄吉と孫文らの写真などは、小坂さんの本などで見たことがあるものもありましたので、「その実物だ」とい感動を味わいましたが、その他の展示物では当時の北京や上海の街の様子を写した写真がなんとも興味深かったです。特に紫禁城、現在の故宮の荒れ果てた様子はなんとも言えません。まさしく「兵どもが夢の後」を感じます。

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