2011年6月15日

なんかずーっと

次回の朝日新聞読書欄で『もうすぐ夏至だ』が取り上げられる模様です。ありがたいことに、ここんとこずーっと、どこかしらの新聞で取り上げられ続けている気がします。「それでもこんな売り上げにしかならないのか!」という、魂の叫びは今は封印して、朝日新聞社サイトの紹介予定書目を見ていると、『児童養護施設の子どもたち』という本が目につきました。

あたしは、特に福祉とかに興味があるわけでもなければ、こういう施設の見学などをしたことがあるわけではありません。ただ、中学の頃、学区内にそういう施設があり、各学年に数名はそこから通っているクラスメートがいたのを覚えています。

なんでそれを知ったかと言えば、今と違って個人情報保護なんて言われていない当時、学校には必ず名簿というものがあり、毎年全校生徒に配られていました。どこがよかったのか知りませんが、あたしは名簿をパラパラめくって眺めるのが好きで、特に目的もなく名簿を見ていたのです。すると、保護者の名前が同じ生徒が目についたのです。ふつうは保護者って父親か母親ですから、姓まで書いていないのに、そのクラスメートたちは、彼らとは全く異なる姓の人の名前が保護者の欄に書かれていたのです。よくよく見てみると、彼らの住所はすべて同じです。親には聞きませんでしたが、「ああ、そういう施設なのか」と中学生のあたしにも理解できました。

当時、あたしはクラスメートと仲が良かったわけではなく、むしろどちらかと言えば嫌われっ子でしたので、そのクラスメートたちが暮らす施設(なのでしょう)に行ったこともなければ、あたしの家とは学校からの方角が逆でしたので、見たこともありませんでしたから、それが本当に養護施設であったのか確かめたわけではありません。いま振り返ってみて、そのクラスメートたちが暗かったとか、どこか他のクラスメートと異なるようなところがあったようには感じられませんでした。ただ単にあたしが鈍かっただけなのかも知れませんし、それ以上にあたし自身がクラスの中で浮き上がっていたからなのかも知れません。

昨今、家庭内暴力などのせいで、ますます養護施設の存在がクローズアップされていますが、施設という言葉を聞くと、触れてはいけないと勝手に自己規制していた中学時代が思い出されます。

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