2011年5月27日

上司の指導の賜?

書店員の側から出版社の営業の人間を見て、「この人、何を言いたいんだろう?」とか、「忙しい時間に来やがって」とか、「そんなにしょっちゅう来られても・・・」とか、「たまには売り上げに繋がりそうな話題を持ってきてよ」といった感想を抱くことは理解できます。嫌がられないように、でも忘れ去られないように、そのあたりのさじ加減が難しいところです。やはり相手のあることですから、この人にはこのくらい、この人にはこのへんで、と相手に合わせて調整しないとなりません。

このように書店員さんが出入りの営業マンに対して好悪の感情を抱くことは人間ですから当たり前で、たぶん、どの書店員からも好かれるような営業もいれば、どの書店員からも嫌われるような人(←あたしのことか?)もいるでしょう。ただ、個人とは別に、「この出版社って誰が来てもこういう感じなんだ」と思われることもあるのでしょうか? その出版社のカラーってところでしょうか? あたしは結構「前任者とは全然違う」と言われてしまいますが、それがよいのか悪いのか?

出版社のカラーはわからなくても、営業側から見ると書店のカラーってのは意外と見えます。それも正社員よりもバイトさんのふるまいに、その店の教育のほどが偲ばれます。

こちらが訪問した目的の人、つまり文芸とか人文とか実用書とか、そういった担当の方がいるときはいいですが、急な外出や休憩中、公休日など、こちらもアポを取ってから訪問しているわけではないので不在のこともしばしばあります。かなり込み入った話がある場合は出直しますが、そうでない時はサブの方やバイトの方に注文書やチラシなどを預けたり、言づてを頼んだりすることがあります。

こういう時の受け答えが、お店によってかなり異なるのです。

ある書店では、こちらが話そうとするとサッとポケットからメモ帳を取り出し、こちらの話をメモしながら聞いてくれます。受け答えも丁寧で、こちらがアポも取らずに来てしまったのに、担当者が不在だった自分たちの方が悪かったように接してくれます。こういうお店に行くと、店長をはじめとした正社員の方が普段からきちんと教育をされているんだなあと思わずにはいられません。

その逆に、こちらが声をかけても、「いま忙しいんですけど、なんですか?」といった態度をとる人ばかりの店もあります。もちろん、先方から見れば「なんか怪しい奴が来た」といった感じなのかもしれませんが、バックルームや事務所の戸をノックして担当の方への取り次ぎを頼んでも、社員同士、バイト同士の話に夢中で、「あ、今日は休みですよ」とおざなりな返事しかしてくれないところもあります。

そういうお店ですと、言づてを頼もうとしても、たいていは「担当がいませんので、いるときにお願いします」といった感じで厄介ごとに首を突っ込みたくないという態度がありありです。またチラシなどを渡してくれるように頼もうとしても断わられることすらあります。

お店の教育がなっていないのか、それともその人個人の資質の問題なのか。社員の人はとてもフレンドリーでいい人ばかりなのに、バイトは応対がなっていないお店も得てしてありますが、恐らくなかなかこれという人がバイトに応募してきてくれないのでしょう。社員の方の苦労が忍ばれます。

もちろん、あたしだって、こんなことを偉そうに書いていられるような人間ではないです。できるだけ仕事の邪魔にならないように、接客の邪魔をしないようにとは心がけているつもりですが、まだまだ出来ていません。あたしのせいで、お客さんに不愉快な思いをさせていることもあるんじゃないかと、いつも不安です。

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