2011年5月 8日

最初のマイケル

この連休中、録りだめておいた映画を見て過ごしていたと書きましたが、何本か見た映画の中でちょっと気になったことがあります。

それはアメリカ映画で、主人公の名前はマイケルと言いました。吹き替えなので、字幕で何度も「マイケル」という単語が出てきます。でも、役者がしゃべっている音を聞けば、「マイコー」です。外国語をカタカナで表記するのは厳密にはできませんが、そんな音声学的な細かいことはおいといて、ごくごく自然に何て言っているのかカタカナで書けば、ほぼ日本人なら百人が百人「マイコー」と書き記すでしょう。

では、なぜ字幕は「マイケル」と表記しているのでしょうか? だって、マイケルだもん、という答えは答えになっていませんが、ある意味では順当な答えかも知れません。かのキン・オブ・ポップ、マイケル・ジャクソンもアメリカ人などが行っているのを聞くと誰もが「マイコー」と言っていて、「マイケル」なんて言っている人はいません。

さてさて、では日本で字幕をつける段になって、なぜ「マイコー」と聞こえるのに「マイケル」と表記しているのでしょうか? いや、そんことを言い出したら、外国人の名前って、そういうのが多くないでしょうか? 最近出てきたような外国の有名人であれば、比較的原音に近いカナ表記をしているのかも知れませんし、英語圏以外であれば、かなり原音に近いカナ表記をしているのかも知れませんが、特にアメリカ人の場合は、原音からどうしてこんなカタカナになってしまうの(?)という表記が目立つような気がします。

例えば、ピーターも、ピーターかペーターかということはおいといて、耳で聞くと「ピィルー」といった感じで聞こえませんでしょうか? これって、なまじローマ字教育が普及したからなのでしょうか? マイケル、英語の綴りですと「Michael」でしたっけ、この発音を「マイコー」ではなく、初めて「マイケル」と翻訳・表記した人って誰なのでしょうか?

こういうことを気にし出すと、江戸時代や明治時代の英和辞書のカナルビって、結構忠実に原音をなぞっていることがありますね。確か、裁縫で使うミシンも、機会を一般を表わす「machine」、つまりマシーンのことなんですよね? ソーイングマシーンとアメリカ人かイギリス人が発音したのを覚えきれず、最後のマシーンのところだけ聞き取って、「ミシン」と言うようになったとか。もちろんソーイングマシーンと言うときと、マシーン単独で発音するときでは微妙に発音が異なるかも知れませんが、マシーンよりはミシンの方が原音に近い気がします。

こういう、どう考えても耳ではそのようには聞こえない英語のカナ表記って、その始まりは那辺にあるのでしょうか? 気になります。とっても気になっています。

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