2011年4月28日

ガラパゴス

書店の店頭に、シャープのタブレット「GALAPAGOS」のパンフレットが置いてありましたので、一部もらってきました。確か今日はiPad2の発売日。いまや、スマホ、タブレットPCが花盛りです。

でも、確かにスマホは急成長しているみたいですが、書籍リーダーはどうなのでしょう? iPadなどスマホ的なノリよりも、気軽なノートPC、いろんなことが出来ますよ、といったコンセプトで売り出している商品はそれなりに話題になっていますが、単なる書籍リーダーは普及しているのでしょうか?

出版業界としては、iPadだろうと、リーダーだろうと、ガラパゴスだろうと、電子書籍の読める端末が売れて、更に電子書籍が売れる(←ここが肝心!)のであれば、端末が何であろうと関係ないのです。

今のところ、iPadが売れているからといって電子書籍の市場が急拡大しているという感じはなさそうで、一抹の不安を覚えなくもないですが・・・・・・

で、このガラパゴスのパンフレットを見ていますと、雑誌などのお試しサービスがあるんですね。たぶん、登録しておくと、雑誌の目次とか主要な記事の一部が自動で配信されてきて無料で読めるようなサービスではないでしょうか? それで読んでみて気に入ったら購入するということでしょう。

いまも新聞社のサイトでは主要なニュースは無料で読めますし、それとは別に有料のサイトというかサービスもやっているわけですから、ビジネスモデルとしてはアリなのでしょう。でも、ビジネスとして成立しているのでしょうか? つまりは利益が出ているのでしょうか、ということです。

それと、このお試しサービス、ガラパゴスというかシャープが、ツタヤと提携して運用しているみたいですが、これって出版社がやることは出来ないのでしょうかね?

前にも書いたと思うのですが、例えばあたしの勤務先のサイトで会員登録してもらうと、毎月毎月あたしの勤務先から刊行される書籍の表紙と目次と数ページ分の内容が配信され、登録会員は気に入って購入すれば全編をダウンロードして閲読できるというサービスです。

お試しデータは、刊行と同時にその都度配信されるのがよいのか、それとも月初めに先月分がまとめて届いた方がよいのか、いろいろ検討すべきことはありますが、大手と違って中小の地味めの出版社の場合、その出版社のファンという読者が一定数はいますから、こういうサービスは可能ではないかと思います。

ただ、これだと書店や取次は素っ飛ばされてしまいますね。紙の本もなくなるわけはなく、当分の間は比較優位が続くと思われますから、書店を排除するようなやり方はやはりまずいでしょうか? しかし、出版社と読者の間に書店が入ることによって電子書籍の販売価格が上がってしまうのだとしたら、読者(消費者)無視の事業になってしまう恐れもありますし、難しいところです。

逆に書店の場合、ある程度の出版社の書籍が電子化されているという前提ですが、例えば、韓国語を勉強している人には韓国語参考書の新刊や韓国の小説、韓流スターの写真集や書籍が出たらお試しを配信する、なんてサービスが可能ではないでしょうか?

いまでも企業などのメールマガジンなどは、あらかじめ会員登録時に「興味あるジャンル」などを選んでもらい、それに応じてメールマガジンを配信するなんてことをしていますよね? いろいろなお店が会員の過去の購入履歴からオススメの新商品をお知らせするメールなどを送っていますよね。

ああおいうことを電子書籍でもできないものだろうか、いや、そういうことをしないと普及しないのではないだろうか、という気がします。

しかし、そのためには、書店側のインフラ整備はやると決まったら比較的簡単にできそうですが、コンテンツを電子的に用意する出版社側の対応が遅々として進まないのではないかという気がします。でも、いまほとんどの出版社はDTP、コンピュータ組み版ですから、それを電子書籍化するのは技術的にほとんど問題ないはずなんですよね。

だったら、普及が進まない一番の問題は何なのでしょう?

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