2011年4月 5日

元気を与える歌

このところ芸能人やスポーツ選手のチャリティが花盛りです。

スポーツの感動が人に勇気や希望、そして元気を与えるというのは理解できますが、ふと思ったのは、なんで選抜高校野球の東北高校だけがあんなにフィーチャーされるのだろうか、ということです。もちろん東北高校ナインは立派ですし、東北の人を元気づけたと思います。

でも、高校スポーツって他にもあるでしょ(?)とも思うのです。もちろん年度替わりのこの時季に全国大会をやっているスポーツが他にあるかといわれるとちょっと思いつきませんけど、もしこれが他の時季だった場合、高校野球以外でも、「元気づけるために出場するべき」というムードになっていたのだろうか、と思ってしまうのです。

あたしは、いまどきの若者らしくない高校野球の偽善さが好きではないですし、それ以上に高校野球だけを他の高校スポーツに対して特権的に扱っている世間の風潮も嫌いです。だから、こんな風に思ってしまうのかも知れませんが......。それに、高校生が打ち込んでいるのはスポーツだけとは限らないし。

ところで、歌手の方々も、少しでも歌で日本を元気にしようと頑張っているみたいですが、あの中山美穂の歌はちょっとどうでしょう? 巧くもなければ心にも響かないのですけど、あんなのがすばらしいといって芸能ニュースで取り上げられるのって、なんか世の中総善人みたいで気持ち悪いです。

まあ、歌は人それぞれの好みがあるので、中山美穂の歌で元気をもらえる人がいるなら、それはそれでよいことですし、ミスチルの歌の方が、という人がいたって構わないと思います。

こういう風に歌で元気づけるというと、あたしは「リンゴの唄」を思い出します。戦後の日本、焼け野原の日本、闇市が賑わう日本といた当時の映像や再現ドラマなどには、必ずと言ってよいほど「りんごの歌」が流れています。

あの当時、もちろんあたしは生きていませんけど、あれほど日本人を元気づけた歌は日本史上他にないのではないか、と心密かにあたしは思っています。「昭和(戦後)歌謡史を代表する一曲」といったたぐいの歌番組が放送されると、実にさまざまな曲がランクインしています。若者中心にリクエストを募るととても十年も歌い継がれるとは思われないような最近の曲が上位にランクインして興醒めですが、そうでなくとも、「リンゴの唄」がランクインすることは稀ではないでしょうか?

でも、あたしはもしあたしが戦後あるいは昭和を代表する曲を一曲と言われたら、やはりこの曲を挙げたい、挙げるべきではないかと思うのです。

さて、今回の震災、本当に被災者の方々が元気をもらった曲って何になるのでしょう? 誰もが口ずさめて、明るい気持ちなれる、そんな曲、今だったら何でしょうか?

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