2011年3月24日

「3時間で読める本」フェア

昨日、今日と、あたしの住む地域の輪番停電(計画停電)は実施が見送られました。回避されたと言うべきなのでしょうか? まあ、どっちでもいいですね。で、明日も朝から、なんと6時20分からという一番最初のグループだったのですが、これも見送られたそうです。連続3日、停電無しとは、やはり肉体的だけでなく、精神衛生上もよい知らせです。

それにしても今日は、かなりの地域で停電は見送られたようですね。午後から久々に多摩地区の書店を何軒か回りましたけど、どこも営業していました。

でも、お店の中、暗いです。節電のため、照明を一部消していたりしています。電車の車内の明かりも、駅のコンコースの照明も一部は消えています。半分くらい消えていると言ってもいいでしょう。最近ありがちなコンコースの商店街なども、「今日は全店休業ですか?」という感じですし、車内照明のついてない電車が入線してきたときには、「あれ、回送電車ですか?」と思ってしまいました。

で、書店ですが、停電が回避されているからなのか、こういう時に買い物に行こうというお客さんで、そこそこの賑わいでした。停電になると書店やショッピングモールすべてが閉店になりますから、今日みたいな日は停電を気にすることなく買い物のできる稀有な一日になったようです。

もちろん、最盛期に比べるともう少しお客が多くてもいいんじゃない、とは言えるでしょうし、多くの書店が6時くらいで閉店していますので、帰りの通勤客の売り上げが立たないので、かなり厳しい状況ではあるようです。

ただ、今日回っていて気づいたというか、感じたのは書店員さんの疲労ですね。顔では笑って「御社は被害はどうでしたか?」といった、このところの定例の時候の挨拶を交わしていますが、精神的にはかなりクタクタのようです。

上に書いたような停電によって開店時間(営業時間)がイレギュラーになっていることがフラストレーションの原因になっているみたいです。やるならやる、やらないならやらない、ともう少し前もってはっきりして欲しいところです。そして、それに伴う客数減、つまりは売り上げ減も、出版不況と言われて十年、そろそろ上向きか、と思い始めていた(信じ始めていた?)業界には、今回の震災は大きな一撃になってしまいました。

それと、やはり書店の方と話していて気づいたのは、本屋が客商売だということです。あたしたちは、会社にいれば、大きな地震が来ても自分と同僚のことを考えればすみます。来客中のことがあるかも知れませんが、そうそうあるわけでもないし、せいぜいが数名のお客です。

でも、本屋はそうではありません。不特定多数の人が、かなりの数、店内にいるわけです。あたしの勤務先に来るお客というのが、我々とは顔見知りであるのと異なり、本屋のお客さんなんて一握りの常連さんを除けば知らない人ばかり、お客さんも知らない人どうしです。

そんな状況下で災害が襲ってきたら、お客さんの安全を最優先に立ち回らないとならないわけです。いまだに余震が続いている状況ですから、いざというときの心構えを常に念頭に置きながら仕事をするというのは、あたしたちには想像のできないストレスになっているようです。

幸いにも被害の少なかったあたしの勤務先の状況なんかが、書店での明るいニュースになってしまうのですから、ある意味かなり深刻な状況なのかも知れません。このストレスというか緊張状態はしばらく続きそうです。

さて、停電ですが、あたしの住む地域も既に4回実施されています。昼間はまだしも夕方から夜にかけての時間帯ですと、夕飯の支度はできない、暗い、寒いとかなりつらい状態になります。被災者の方々の苦労に比べたらと自分に言い聞かせるわけですが、やはり寒いですし、なによりも気分がものすごく落ち込みます。

本当なら、パソコンをやったりして時間を潰したいところですが、停電ですからね。全くできません。ノートパソコンはありますが、普段は電源ケーブルを使っているので、バッテリの充電もしてません(爆)。それに、充電していて使えたとしても、ルーターなどの電気が止まっていますから、やはりネットは使えません。

で、一番いいのが読書なのですが、これまた暗くて本を読むような状態ではありません。ろうそくや懐中電灯の明かりでは、本を読むにはつらすぎます。

でも、書店の人に聞くと、停電中は暇だからなのか、それなりに暇つぶし用の本を買っていく人がいるそうです。うん、確かに昼間の時間帯の停電なら、窓辺で十分に読書は可能です。

そこで提案です。

最初の頃こそ2時間程度だった停電も、あたしの住む地域でいいますと、このところはきっちり3時間やってます。たぶん、他の地区も似たり寄ったりでしょう。なので、ここは思い切って、それを逆手にとって、「3時間で読める本」フェア、なんてどうでしょう? することのない停電中、この一冊がちょうど読み終わるのにちょうどよい分量の本です、といってオススメするのです。

停電だから本でも読むか、という人の中には、ふだんはあまり本など読まないから、どれを選んでよいか迷っている人もいるかと思います。そういう人に、停電中の心の友、として本をオススメするのです。

3時間で読めるわけですから、それほど厚い本になるはずはないでしょう。となると、値段もリーズナブルですから、「じゃあ、これ買ってみるか」という気にもなるかと思います。

どうでしょう? ちなみに、あたしの勤務先の本なら、こんなところでしょうか?



あるいは、「言葉のしくみ」シリーズを一冊ずつ読破して、語学を身につけるなんてのもありかも?

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