2011年3月10日

車窓からの風景

川上弘美『東京日記3 ナマズの幸運。』を読んでいます。

その中に川上さんが大阪へ行ったときのことが書かれています。その帰路、車窓から大阪の町並みを眺めながら感慨に耽る風な記述があるのですが、ここでちょっと首をひねりました。

あたしもしばしば大阪へは行きます。もちrん仕事です。新幹線を使ってます。ただ、新大阪から乗って、それほど大阪らしい町並みに浸れるのかなという気がします。

東京ですと、東京駅を出発し、すぐに「この先が銀座なのよね」という有楽町、右手には東京タワーといった具合に、東京を感じさせる建物が目に入ります。

でも、大阪の場合、そもそも新大阪っていう場所が、大阪からJRでひとつめの駅とはいえ、大阪の中心からは離れるような方角であり、そこから先、これといって大阪らしいものが目に入るという気もしないのですが・・・・・・

確かに、遠く振り返れば、大阪都心部の高層ビルが見えなくはないですが、通天閣や大阪城が見えるわけでもなし、大阪的な感傷に浸るには新大阪から乗った新幹線の車窓風景は貧弱のような気がします。

いや、まあ、そんなことはいいのか。実際に見えるかどうかではなく、心象風景なのだから。

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