2011年3月 7日

世界の中心で「正義」を語ろう

先週は京阪神の出張でした。

東京と比べて景気はどうでした? と聞かれると、丸善&ジュンク堂書店梅田店は絶好調のようですが、他は取り立てて不景気でもなければ、好調なわけでもなく、といった感じです。

いや、この書き方だと、かなり暗い感じに聞こえてしまいます? そんなことはないですよ。書店の皆さん、明るく楽しそうでしたよ。って、あたしが場違いに脳天気なだけだったのかしら?

でも、ひところの悲観的な空気はない気がします。うん、徐々に上向いているのかな、という感じです。

もちろん駆け足の三都物語だったので、ターミナルにある比較的大型の書店だけを回っただけという限られた見聞ではありますが・・・・・・

それにしても、この数ヶ月、取次のランキングを見ると、ずーっと『くじけないで』『正義の話をしよう』『もしドラ』だけがランキングしているような気がします。この三冊の間に割って入るのはコミックや文庫・新書の一部商品のみ。それらが入れ替わり立ち替わり、現われては消え、また別のものが現われるというのの繰り返し。この三冊だけが安定して売れている気がします。

ほんと、この数年来、一極集中と言いますか、話題になった本にのみ売れ行きが集中するという現象が起きています。「本屋大賞」もほとんどの店で第1位の書籍だけが売れて、2位以下はサッパリというのが現実のようです。

いや、そうやって売れるものがあるだけまだマシだよ、と言えなくもないかもしれません。でも、書店員の方々、一生懸命工夫を凝らして本を並べているのに、話題になった本だけを手に取ってレジに並び、お金を払って帰ってしまうなんて、もったいないような気がします。

でも、そういう買い方が主流であるからこそ、ネット書店が繁盛するのですね。他の本なんかには見向きもしない、話題になっている本だけが欲しいのだから。隣にどんな本が並んでいるかなんて、どうでもいいことなのかもしれません。

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