2011年2月21日

いまさらのキリスト教?

今朝の朝日新聞にキリスト教関連書籍がちょっとしたブームになっているというような記事が載っていました。書店を回っていて、キリスト教絡みの本がそれなりに出ているし売れているという感触は持っていますが、それにしても朝日の記事は「何をいまさら?」という気がします。

だって、あたしの勤務先から出ている文庫クセジュというシリーズのフェアでキリスト特集をやったのがかれこれ3年か4年前、その時既に「キリスト教が来ている」という感じがあったので、そういうフェアを企画したのですから。それから何年もたっての今回の記事はちょっと違和感を感じます。

で、個人的には思うのは、「朝日新聞、なにやってるのよ?」ということではなく、「キリスト教だけを追っかけていればそれでいいの?」ということです。

9・11以来、世界の不安定要因の大きな要素としてキリスト教とイスラム教の対立という図式があります。もちろん単純に対立なんて言ってしまってはいけないことは重々承知していますが、話を進めるためにはそのくらいの単純化も必要です。そもそも、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教って兄弟宗教ですよね?(あっ、この兄弟宗教と言い方も誤解を招きますかしら?)

で、この一、二年、書店の人文書担当の人と話をしていても、キリスト教だけを取り上げていれば、それでいいのか(?)という話によくなります。せっかく書店でフェアを仕掛けたりコーナーを作ったりするのであれば、キリスト教だけでなくイスラム教やユダヤ教にも目配りをしたものにしなければいけないのではないか、そう思うのです。



日本は幸いにして先進国では極めてキリスト教徒の少ない国です。「幸いにして」なんて書いてしまいましたが、それはつまりイスラム教にもユダヤ教にも、もちろんキリスト教にも、特にどれかに偏ることなく公平な立場を辞することができるだろうという意味です。日本だからこそ、客観的に三教を公平に見られるフェアができるのではないでしょうか? あたしは、そう思います。

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