2011年2月12日

屋根裏

屋根裏の二処女』読了。この独特の文体、賛否両論というか、今だったら、とても読めないと匙を投げる読者も多いのではないでしょうか? あたしも手こずりましたが、意味がわからなくなることはなかったです。

で、主人公はいったい何がしたいの、何が言いたいの、自分をどうしたらよいの、という感じで、読んでいてもじれったいです。たぶん、こういう時期というのは、思春期には誰にでもありがちなのでしょう。ただ、それにしても、なんか甘ちゃんで、苦労&世間知らずのお嬢ちゃんという感じで、じれったいどころか、ちょっとイラつくところもありました(笑)。

でも、
冷たい板壁に指でしるす泪の跡に、恋しい恋しいひとの名を浮かべては幾度も、あわれ幾度も-秋ふかむ夜を-かくて屋根裏の小窓より流れ入る夜霧に身を濡らしつつ・・・・・・(P.166)
なんて部分、具体的には161ページから166ページの上掲の部分までの文章は、とても美しいです。主人公の心の動きというか機微が、すごくよくわかります。これが吉屋信子の真骨頂なのでしょう。

ところで、ところで、わが家の屋根裏の闖入者、ハクビンシンのことですが、その後日談というか顛末です。

業者に、見積もりに来てもらい、数日後、駆除の日が来ました。あたしは仕事でしたので、同居の母親が立ち会ったのですが、屋根裏と言いますか、床下と言いますか、つまり一階から見たら天井裏で、二階から見たら床下を開けたところ、ハクビシンではなく鼠の糞がてんこ盛りだったそうです。業者曰く、ネズミを追ってハクビシンが何回か入ってきた可能性はあるが、わが家の天井裏の騒ぎはネズミ(クマネズミ)だったのです。

そうなると、駆除の方法が根本から異なってきます。ハクビシンとネズミでは大きさが違いますから、進入路をふさぐにしても手間が違ってきます。またネズミはダニを持っているので、ダニの駆除も合わせてやらないとならなくなりました。

とまあ、そんなわけで、その日だけでは終わらず、改めてもう一日作業をすることになりました。で、それも先日終わりました。うちから追い出されたネズミたちはどこへ行ったのでしょうか? まあ、どうでもいいですが、その日以来、パッタリと天井裏の運動会はなくなりました。初日こそ外の壁をガリガリかいているような音がしましたが、風なのか、ネズミが進入路を探していたのかわかりません。

とにかく、翌日からは静かな夜を迎えております。まずは一安心ですが、かなりの出費となってしまいました(涙)。

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