2011年2月 1日

立ち往生

この冬のあまりの大雪で、車も電車も動けなくなって立ち往生というニュースを何度となく目にし耳にします。あんなめには遭いたくないなあと、ニュース映像を見ながら思うのですが、よくよく考えると、あたし自身が立ち往生に遭遇したことがあったんですよね。

何年前でしょう? 2年か3年くらい前のことです。この時期にルーチンの出張で東北へ行きました。細かいスケジュールは覚えていませんが、仙台だけを回ったのか、それとも盛岡を回って仙台に辿り着いたのか、そのあたりが記憶から抜け落ちています。とにかく、あたしは仙台におりました。

前日に仙台の書店を回り、翌日は朝から山形の書店を回ろうと、ホテル戻る前に仙台駅で仙山線の時刻表を調べたのを覚えています。「よし、この電車がちょうどよい」と思いつつ、一泊し翌朝の仙台はよい天気でした。仙台から山形へちょっとしたピクニック気分です。

ところが仙台を出発して間もなく、周囲は大雪の状態です。降ってはいないのでキラキラと輝く一面の銀世界がピクニック気分を否応にも盛り上げてくれました。で、山形着です。仙台よりは若干どんよりとした空模様で、木々の雪が風に飛ばされて舞っているのか、それとも実際に雪が降っているのか判別できない程度の雪でした。営業回りに支障が出るようなことはありません。

郊外の書店までは足を伸ばさず、この時は市内の書店を数軒回り、予定どおり昼過ぎには山形から仙台戻る列車に乗り込みました。夕方前には仙台に着きますから、前日回れなかった仙台の書店や、回ったけれど会えなかった担当の方のところへ顔を出そうというつもりでした。

で、列車は出発。順調に走り出しました。行きと同様、山の中へ進んでいくと周囲は雪だらけ、東京ではとてもお目にかかれないような量の雪です。が、天候も徐々に悪くなっていきます。でも、こうして列車が時々は走っているのだから何の問題もないだろうと高を括っていたのですが、徐々に雪は強まり、列車は仙台と山形のほぼ中間点、山寺へ到着しました。ここから仙台までの区間が雪のため不通になっているというアナウンスが流れ、しばらく車内で待機となりました。

そのうち動き出すよね、とここでも高を括っていたあたしでしたが、あっという間に1時間が過ぎました。しかし雪は一向にやむこともなく、山寺のあたりはまだましでも、この先がどんな状態になっているのかまったくわかりません。そして、車掌のアナウンスでは、この列車の運行は中止となり、仙台から振り替えのバスが現在こちらへ向かっているところだという説明がありました。

雪道を仙台からやってくるわけですから、結局バスに乗り込んだのは山寺に到着してから、2時間班くらいは経ったころだったと思います。列車に乗っていた人がバスに乗り込み仙台へと向かいました。が、連射の道のりと車の道のりは異なるわけですが、途中それほどの雪という感じはなく、仙台の手前の、何とかいう駅まで連れて行かれ、そこからまた仙山線に乗って仙台駅へ向かったのです。

仙台駅へ着いたのは5時は回っていたと思います。たぶん6時くらいだったでしょう。夕方のラッシュも始まっていましたし、あたしはその足で東京へ戻るという行程でしたので、書店回りは諦めました。今朝まで泊まっていた駅前のホテルに預けてあった荷物を取りに行き、新幹線に乗って東京へ向かったのです。

実は、山形で列車に乗るときに、途中の天候が悪く、遅れるかもしれないという放送は流れていました。でも雪国は雪に慣れているでしょと思ったあたしがバカでした。あそこで山形から新幹線に乗って東京に向かえばよかったのに、と今となっては思えます(笑)。荷物さえ預けっぱなしになっていなければ、山形から新幹線で直接東京へ向かえたものを、荷物のせいで一度仙台へ戻らなければならなかったのです。ちょっと後悔しました。

でも、滅多にできないよい経験をさせてもらったという気持ちもありましたし、列車の中でバスを待っている間も、なんかワクワクしていたのはあたしだけだったのでしょうか?

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