2011年1月21日

どちらが正しい?

ホテルの従業員(アルバイト)が、自分の働くホテルのレストランに有名人(芸能人)が食事に来ていることをTwitterでつぶやいて処分された件ですが......

まず、あれがホテルの従業員ではなく、たまたまそのレストランに食事に来ていた他のお客がつぶやいたのであれば、あそこまでの問題にはならなかったのではないでしょうか? だって、そんなことだったら「いま、渋谷のマルキューで某某を見た」的なつぶやきなんて、数え切れないほどあるはずですから。

で、あたしはそういう暴露的な行為ってどうなのよ、ということには興味はありませんあたしが興味を引いたのはそれを報じていた新聞に載っていた識者のコメントです。

あたしが読んだのは朝日新聞の記事ですが、その中でネットなどの専門家とおぼしき人のコメントで、どんなに匿名性があっても、ほぼ百パーセント誰が発言したのか特定できる、と書いていました。これは、当然のことながら、いくら自由な発言が保証されているネットの世界とはいえ、各個人が節度をもって利用しましょう、最低限のマナーはわきまえるべきです、という趣旨で発言しているのだと思います。

その点はあたしもわかりますし、自分がわきまえているのかと問われれば、ちょっと自信がないですが、一応は理解しているつもりです(汗)。

あたしが気になったのは、ネットの発言や書き込みで、書き込み主がほぼ百パーセントわかってしまうというくだりです。ある面では確かに、そうでしょう。IPアドレスをたどっていけば、どのパソコンから発信されたのかはわかると思います。

でも、ネットカフェなど公共のPCからの発言であれば、そのパソコンは特定できても、実際に操作した人間まで特定するのは無理なのではないでしょうか?

また、この専門家の発言であたしが怖いと思ったのは、ネット犯罪との関わりです。

よく「お前が、エッチなサイトを見ていたのはわかっているんだ! バラされたくなかったら100万円を振り込め」みたいな脅迫を受けた、架空の請求をされたというニュースを耳にします。そういう詐欺(?)に引っかかる人の言い分としてよく聞かれるのは「自分の住所や連絡先が相手に知られている」と思い込み、怖くなって、という意見です。

そもそも、ネットの掲示板か何かに書き込んだくらいで、こちらの住所や電話番号がわかるものでしょうか? もちろん住所などをみずから書き込んでいたなら話は別ですが、ふつうはそんな情報は書き込まないし、名前だってハンドルネームのことがほとんどです。それなのに、こちらの個人情報が相手(犯罪者側)にわかってしまうものなのでしょうか?

こういった事件が続いたころ、やはり専門家の意見として、ネットに書き込んだくらいでは、こちらの名前や住所、電話番号まで知られることはないから、相手にそんなことを言われても気にしないで放っておきましょう、というのが主流を占めていたと思います。

というわけで、以上のことから、ネットでのつぶやきや書き込み、それだけでこちらの名前や住所、電話番号などが相手にわかってしまうものなのでしょうか、ということです。

確かに、IPアドレスなどをたどっていけば、発信されたPCやケータイにたどり着くことは可能でしょうけど、それすらカモフラージュする方法がいくらでもあるようです。まあ、われわれ一般人はそんなことしてませんから、自分のPCやケータイが特定されてしまう可能性はあるのかも知れません。特にPCに比べるとケータイの方がダイレクトに個人と結びついていますから、誰なのか特定されやすいとは言えると思います。でも、果たして本当に可能なのでしょうか?

あたしは、今回のホテル従業員の報道の識者のコメントを読んで、多くの人が「ああ、匿名で書いても、自分が書いたってバレているんだ、住所もなにもかもすぐにわかっちゃうんだ」と思うようになると、逆に上に書いたような詐欺行為の犯罪者に有利に働くのではないかと思ったのですが、それは杞憂でしょうか?


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