2011年1月16日

好かれる人だから殺される

今朝書いたあたしの夢の話の続きではないのですが、この年末年始もずいぶんと殺人事件が多かったような気がします。そんな中、よく聞かれるのは、被害者について「あの人はいい人で、誰かの恨みを買うような人ではなかった」という周囲の人の証言です。コメンテーターとかリポーターなども、「誰からも好かれる某某さんが殺されるなんて、怨恨と言うよりは通り魔的な犯行でしょう」といったコメントをしたりします。

あたしは、ここにものすごい違和感を感じます。違和感と言うよりも反対意見、否定的見解です。

なぜなら、あたしに言わせれば、誰からも好かれるからこそ殺される、のですから。

この気持ち、感情って、ごくごく普通に暮らしている人にはわからないかも知れませんが、人付き合いが苦手な人やいじめられっ子だった人ならわかると思います。確かに対人関係をうまく築けない人って、それは自分が悪いのかも知れない、自分にだって原因があるのかも知れないって自覚していないわけではありませんが、やはりそれをなかなか認めたくないものです。

特にいじめられっ子の場合、クラスにいる人気者に対してはかなりどす黒い感情を持ってしまうものです。「取り立てて行動に違いがあるわけでもないのに、あいつはみんなから好かれて人気者なのに、どうして自分は嫌われているんだろうか」って。逆恨みもいいところです。でも、いじめられっ子の正直な感想としては、そうなんです。ねたみ、うらやみ、やっかみなどいろいろな言い方ができますが、とにかくそう思ってしまうんです。かくいう、あたし自身がそうなので、自信をもって主張できます。

ですから、テレビなどで「某某さんは誰からも好かれ、近所でも評判がよく、恨みを買うようなことはなかったそうです」なんていうコメントを聞くと、「だから、その誰からも好かれて評判がよいからこそ殺されたんだよ」とテレビ画面に向かって叫びたくなるのです。

テレビ出るような人は、それなりに対人関係もうまく築けて、周りの人からも好かれていて、そんなどす黒い感情とは無縁なのでしょう。でも、人気者に対する嫌われ者のルサンチマンは確実に存在していますし、人を殺す十分な根拠になると思います。

もしかして、あたしがあんな夢を見たのは、殺した相手が誰からも好かれる人で、あたしが心の中で実はその人に対する恨みや妬みといった感情を抱いていたからなのでしょうか?

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