2010年12月28日

裏切ったわけじゃない

新文化サイトの「社長室」コーナーに書いてありました。
面陳列やフェアなど長年にわたって出版社のお願いを聞いて販売し続けてきたこともあり、裏切られたと口にする書店もあった。
そうなんですか、と他人事のように言ってはいけないのかも知れませんが、そういう問題なのだろうか、という気がします。

もちろん、書店の言い分もわかりますけど、さらに「裏切られた」感を煽ったのは
もしこれが本当であれば、「取引は個々」というレベルではない。もはや「差別取引」というほどのものである。
という部分のようです。

それにしても、
大きな書店ができれば町の書店のダメージは大きい。今ですらギリギリで経営している地場書店にとって、大型書店との競争に勝てる要素がない。長い間、1冊の客注対応から信用を得てきた地場書店の顧客が根こそぎ獲られていく。
とありますが、これって「書店」の部分を「電気屋」に代えれば、量販店に押されまくって、どんどん閉店していった街の電気屋さんの運命と全く同じではないでしょうか?

では、街の電気屋さんはどうやって淘汰されていったのか、あるいは生き延びたのか。さらには、電気屋という業界はどうなったのでしょうか? 確か、電気屋さんってメーカーの系列になっていたはずですから、書店とは一概に比べられませんが、それに電化製品と本という本質的な違いもありますけど、それでも参考になる事例ではないでしょうか?

もっと考えれば、商店街と大型スーパーやショッピングモールの関係も同じですよね。

最後の最後に
実態のある取引きをしないと、双方だけでなく書店界全体がダメになる
って書いてあるのですけど、「実態のある取引」って何でしょう? まさか、「ホームページでネット書店とリンクを貼ったり、書籍目録のなかに読者への直接販売も案内していたり」といったことを「実態がない」と言っているんじゃないですよね?

「書店界全体」ってのは「出版社」も「取次」も含んだものを指しているんですよね? それならわかりますが、「書店」だけを考えているようでは、もうこの業界はダメでしょう。

と言うよりも、多くの人が指摘するように、「出版社」-「取次」-「書店」という業界全体が、既に時代遅れというか、時代に対応できなくなっているのだと思います。再販制も含め。

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