2010年12月20日

呪いの企画

社内で、とある人形を主人公(?)にした本の企画が回ってきました。編集部で企画成立し、営業部での検討に回されてきたものです。内容は人形を主人公にした海外小説のようで、ストーリーも面白く、営業部でもすんなり通りそうな企画でした。

ところが、あたしは直感してしまったです。

この本はフィクションなんかではなく、本当の話であると。

つまり、あえて言えばこの本はドキュメンタリーのようなもので、本書に関わった人間は、ほとんどが不慮の死を遂げたり、事故などで重傷を負ったり、深刻な病に見舞われているということを。

もちろん会議でもあたしはこのことを主張しました。そして、そんな曰く付きの本の出版はやめようと熱弁をふるったつもりです。しかし「映画や小説ならいざ知らず、実際に呪いなんてあるわけない」と、一顧だにされません。そして、むしろそういう噂があるということはいい宣伝材料になるとされ、見事に企画成立してしまいました。

と、そんな夢を見ました。

いったいどんな精神状態がこんな夢を見させたのでしょうか?

夢の中で、あたしは「これは夢だ」ということがわかっています。そして、「なんでこんな夢を見ているんだろう」ということまで考えています。そこまで冷静にわかっているのです。

で、夢の中では、企画会議の場面から一気に飛んで、とうとうその本が出来上がってきてしまいました。カバーには不気味な日本人形の写真が大写しになっています。海外小説なのに、なぜか日本人形でした。こういったところが夢の夢たるゆえんなのでしょう。あるいは海を越えて送られた呪いなのでしょうか?

いずれにせよ、その本を何故か一冊あたしは自宅に持ち帰り、寝床で読もうとしているのです。そんな本を読んだら呪われるとわかっているのに読もうとしているのです。でも、夢の中で怖くなったのか、あたしはその本を読みませんでした。

ところが、普段なら寝床で読む本は枕元に置いておくのに、なぜかあたしはその本を布団の中に仕舞うように置いてしまったのです。自分でも夢の中でそんなことをしてはいけないとわかっているのに、です。

そして案の定、眠りについてじきに、その本があたしの体を引っ張って、布団が引きずり下ろそうとするのです。そして、その本に飲み込まれそうになったところで目が覚めました。全身汗びっしょり、ということはなかったですが、確かに心臓の鼓動はいつもより速かったです。

いったい、この夢は何のお告げなのでしょうか?

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