2010年12月14日

穂村弘の回転寿司

穂村弘の『世界音痴』という本をご存じでしょうか?

えっ、知らない? 別に知らなくてもいいです。読んでいなくても構いません。とりあえず単行本が出て、その後文庫にもなって、穂村弘ファンなら持ってる、読んでいる本なのかもと思われます。

どんな本かというと、それは本屋で実物を手に取ってもらいたいので割愛しますが、表紙はこんな感じです。

 

左が単行本で、右が文庫です。

どちらも回転寿司屋で撮られた写真ですが、この寿司屋、神保町の交差点にある、とある雑居ビルの1階に店を構える「うみ」という名の回転寿司屋です。ちなみに、現在このビルの二階は岩盤浴屋になってしまっていますが、その昔は「そら」という名の焼き肉屋で、「そら」と「うみ」、なんとも絶妙なネーミングのお店が上下に並んでいたわけです。

残念ながら、「そら」の方は数年前に岩盤浴屋に変わってしまって、いまでは1階の「うみ」が一人気を吐いていたのですが、それが数日前に前を通ったら、なんと改装中なのかどうか知りませんが、とにかくお店はなくなっていました。工事中です。

「うみ」がリニューアルするのか、それとも閉店になって別にお店がオープンするのか、それはよくわかりません。穂村弘ファンにとっては、ある種「聖地」のような場所だったかも知れないこの寿司屋がなくなってしまったというのは、いかがなものでしょう?

えっ、「聖地」なんかじゃない?

まあ、それでもいいでしょう。でも、穂村弘ファンなら、この寿司屋の同じ場所に座って、同じようなアングルで自分も写真を撮りたい、なんて思ったりしないのでしょうか?

もう、そんな夢も叶わなくなってしまったのですよ。少なくとも「うみ」がリニューアルだとしても、もう穂村弘が写真を撮った「うみ」はなくなってしまったわけで、どうあがいても、もう後の祭りです。

いや、ファンではなく、肝心の穂村さんはこの事態をどう思っているのでしょうか? もちろん「うみ」がなくなってしまったこと、『世界音痴』の担当編集者からお聞き及びと思いますが......

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