2010年12月12日

乙女の初恋

乙女の初恋』読了。

少女マンガを小説にしたようなストーリー展開は好みが分かれるでしょうけど、昔、胸キュンの少女マンガを読みふけった世代にはたまらないでしょう。良家の子女ばかりが通う鎌倉の全寮制女子高校が舞台なわけですから。

本書は、もちろん前作『乙女の花束』も買って読んだわけで、その時に吉祥寺の啓文堂書店で折原先生のサイン会がありました。あたしも、並んでサインをいただきました。

その折りに、「ぜひ続きを、主人公が高校2年生、3年生、大学生となり、社会人になるまで書きつづけてください」と折原先生に直訴いたしました(笑)。とりあえず、高校卒業までは各学年を一作として三部作で出しますとご返事いただきました。

そして、本書です。

やはり後輩が出来ると、前作とは異なる人間関係が生じるものですね。薄い本なので、ストーリー展開が速すぎるという気がしなくもないですが、女子中高生や女子大生、OLが読むにはこのくらいがちょうどよいのかも。

それに、青春時代っていかにも悩みまくって苦しんで、そして成長していくなんて、世の小説では描きがちですが、実際にその時代をくぐってきた身としては、そんなたいそうな時間を過ごしたわけではなく、何とはなしに時が過ぎて行ってしまっただけです。小説家がいかにも悩むことは若者の特権と言わんばかりの作品を発表するのが、かえって空々しく感じます。

だから、実はこの小説くらい淡々と時が流れていく方が、むしろ真実に近いのもかも知れないとも思います。

で、本書ですが、今回も啓文堂で買いました。言ったときに担当の人から、近いうちに折原先生がお見えになると聞き、サイン本をおねだりしておいたからです(笑)。あいにく、来店日、あたしは出張でした。

いただいたサインがこちらです。



もしかすると、先生は女の子のファンだと思ってこのサインを書いてくださったのかも知れません(汗)。まあ、当たらずといえども遠からず、ですけど。

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