2010年12月11日

電子書籍端末勢揃い?

ソニーの電子書籍端末「Reader」が発売になり、アップルのiPadに、ドコモのGalaxy Tab、シャープのGALAPAGOSと、電子書籍端末が一気に増えてきました。まだ何台か発売予定があるのですよね?

最近はヨドバシカメラとかビックカメラなどにもあまり行ってないので、これらの実機を目にし手にする機会がまだないのですが、実際のところどうなのでしょう?

どれが人気なのか、と問われれば、今のところはダントツでiPadなんでしょう。でも、目に優しいのはキンドルの方が遙かに勝ってるとも言われます。実機を見ていないので何とも言えませんし、店頭で数分程度いじっただけでは、目に優しいのかどうか、たぶん判断しづらいでしょう。

そもそも、電子書籍端末と一括りに言われてしまってますが、iPadは実のところタブレットPCであり、キンドルなどそうではなく純粋な読書用デバイスのはずです。そもそも生まれが異なりますし、当然使われ方も異なるわけですから、同じような基準、土俵で比べてもよいのでしょうか?

ところで、端末ではなくコンテンツの方、電子書籍について改めて考えてみました。

いま世間の本屋さんで売られている本が電子化されたら買うだろうか? っていう風に。

あたしは文芸書の単行本でも、文庫・新書でもあえて電子書籍版を買おうとは思いません。今のあの形態よりも電子書籍版の方が便利だとは思えないからです。もちろん、書籍端末をいじったことがないあたしが言っても説得力はないですが、予想・想像すると、まだまだ紙の本に軍配が上がるのです。電子版のよいところは、ページがめくれないように押さえておく必要がない、風が強い日にページがめくれてしまうことがない、といったことくらいしか思いつきません。

でも、例えば、もう売られていない本が電子化されて出回るのだとしたら、そしてそういう形態でしか売らないのだとしたら買いたいです。そして、できれば電子書籍端末の中だけではなく、PCのHDDとかCD-ROMなどに焼いて残してもおきたいと思います。そういう面で、デバイス依存の形式の電子書籍は困るし、利用者無視のような気がします。

で、売られていない本と書きましたが、あたしが言いたいのは、最近の本で重版もされずに品切れになってしまった本ではありません。いわゆる古本屋で売っているようなそれなりに古い本のことです。簡単に言えば戦前の本になりますでしょうか。あとは、せいぜい昭和40年代くらいまで、です。

江戸時代の版本とか、国会図書館や内閣文庫、東洋文庫などにある貴重書が電子化されて公開されれば、価格次第ではダウンロードしたいと思います。これまで、学生時代には各地の図書館の蔵書目録を調べて、必要は版本があればコピー(複写)依頼を出し、高い金を出して取り寄せていました。人文系の研究においては、ごくごく基本的な作業です。

でも、これが電子化され、自宅にいながらにして閲覧やダウンロードができるならものすごーく便利です。いつでもサイトで閲覧できるなら、全部をダウンロードする必要もないでしょう。閲覧だけならタダとか安い金額に設定し、ダウンロード(自分の端末に保存)ならもうちょっと高い金額を設定してもよいかと思います。

上に書いた内閣文庫とか東洋文庫みたいなところなら、有料会員制度にして、月額や年額の会費でいつでも見放題、ダウンロードは会員料金でし放題にしてもよいかと思います。

とにかく、こういったいわゆる貴重書なら、保存の観点からも電子化は大いに進めるべきですし、そういう電子書籍なら利用すると思います。でも、やはり、現在出ている文庫や書籍を電子で読みたいとは思わないんですよね。

前にも書きましたが、例えば新潮文庫夏の100冊を10000円といった形での販売なら電子書籍版を買うかも知れませんけど。

そういう意味では、定期的に買うもの(←コミックとか雑誌とか)、置き場所に困るもの(←全集とか揃いものとか)が電子向きなのでしょうか?

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