2010年11月 7日

電子書籍って何?

今年は電子書籍元年だと言われてます。電子書籍とかiPadとか、そういったキーワードをタイトルに謳った本も山のように出版されました。

で、本当に電子書籍元年だったのか。まだ二ヶ月弱残っている今年ですが、改めてそんな気がします。

確かに、出版社も取次も尻に火が付いた感はあります。とりあえず、電子書籍についてわが社では何も考えていません、準備もしていませんでは通らなくなったような気がします。

しかし、じゃあ、電子書籍ってどんなもので、どんなことができるのか、紙の本に取って代わるような何か革新的どころか、革命的な何かがあるのか、と問われると、ちょっと首をひねってしまいます。iPadにしろキンドルにしろ、単純に紙の本を電子デバイスに置き換えただけで、軽くなった、持ち運びが便利になったと言われる程度のものでしかないような気がします。

でも、出かけるときにカバンやポケットに文庫本を一冊、というのが大方の人の習慣であって、別に何冊も何十冊も持って歩きたいという人がどれほどいるのでしょうか? それに一冊の文庫本よりもはるかに重い電子書籍リーダーをわざわざ持って歩くなんてことするのでしょうか?

そう考えると、内容面ではいろいろ言われていますけど、ケータイ小説というのは実によくできた「電子書籍」なのではないか、日本においてはiPadだろうとキンドルだろうと、ケータイを越えられないのではないか、そんな気がします。

ケータイは所詮ケータイ小説を読むためのものであって、それなりに内容のある小説が、ましてや専門書が読めるか、という意見も聞きます。

でも、iPadでなら、キンドルでなら専門書を読みますか?

むしろ、いまのスマートフォン、iPhoneなどの画面の大きさを念頭に置いてますが、あのくらいのリーダーが今後は普及するのかな、あれくらいだったら持ち歩いてもいいなあ、と思います。

それでも、人文書を読みたいとは思いません。

でも、そういったスマートフォンタイプのリーダーに、新潮文庫の百冊がプリインストールされているとかしたら(←できれば、品切れ絶版本ばかりで100冊!)、意外と売れるのではないかという気がします。それと広辞苑、英和辞典が付属して、という感じ。

ただ、今でも折りたたみタイプの携帯電話なら、なんとか小説は読めますよね? miniSDカードで夏100とか売り出してみたらどうでしょう?
 

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