2010年11月 3日

そして既存店は...

先日はジュン吉、いや、ジュンク堂書店吉祥寺店に行ってみたのですが、こんどは吉祥寺の既存店にうかがいました。

どこもジュンク堂オープンの影響を受けているようですが、これは致し方のないことでしょう。オープン一ヶ月から数ヶ月は書店に限らず、みな新しいもの見たさでお客が殺到するものです。肝心なのはジュン吉の客足が落ち着いてくるまでどのくらいかかるのか、ということと、それまでに各ジャンルの担当者がどれだけ自分の棚を把握できるようになっているか、ということだと思います。

で、既存店です。

新しいお店、それもかなり巨大なお店がドーンとオープンしたわけですから、これまでと同じことをやっていてよいわけがない、という意見もあります。でも、何が来ようとこれまで培ってきた自分のスタイルを貫くのがよいのだ、という意見もあり得ます。どちらがよいのか、コンサルトでもないあたしには何とも言えません。

ただ、出版社の営業としてではなく、単なる本好き、本屋好きのお客としての立場で言えば、それぞれのお店が似たりよったりになるのではなく、個性を活かしてくれると嬉しいです。既存店は長いことやってきたわけですから、良くも悪くも宿痾と言いますか、硬直した部分というのがあると思います。ライバル店の出現を機に、これまで手を付けられなかった負の部分を整理して、自分の店のよいところ伸ばすというアレンジ、微修正は客にとってはありがたいと思います。

今はまだ、どのお店も様子見、模様眺めな感じがありますが(店長クラスは相当な危機感を持っているのでしょうけど......)、少しずつそんな風に変わっていってくれたら嬉しく思います。いや、こういうのを「変わっていく」と呼ぶのはよくないかな? なんかちょっとマイナスイメージがありますよね。「変わっていく」ではなく、「変えていく」と呼んだ方がよいのでしょう。

それにしても吉祥寺は、これで本好きにはますます楽しい街になってくれるのでしょうか? なって欲しいものです。ジュンクにしろ既存店にしろ、そういう風に考えてくれるといいなあ、なんて偉そうにしたり顔で言いたくなります。ジュンク堂もできて、より本好きが周辺から集まる街になってくれれば、どのお店もちょっとずつ売り上げは落としたとはいえ、吉祥寺という街全体としてはマーケットが格段に広がった、大きくなったということになるとありがたいと思います。

本好きが集まるから各店も独自の工夫を凝らす、それがまた楽しいからますますお客が集まる、そんな循環になってくれるとワクワクします。芸術ジャンルならここ、文芸書ならあそこ、文庫だったらここ、という風にお客の方も使い分けるようになるでしょう。

ゆくゆくは、各店で横の連携をして、統一的なフェアとか企画とかができないものでしょうかね?(スタンプラリーをしようとまでは言いませんが......笑)


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