2010年11月 1日

海外文学が売れない理由?

とある仲良しの書店員さんと話しているときに、電光石火と言ったら大袈裟なんですが、ふとあたしなりに海外文学が売れない理由に思い当たりました。

もちろん、売れないと言っても、別に海外文学に限った話ではなく、もっと売れないジャンルだってたくさんありますし、取り立てて海外文学だけが売り上げ不振に喘いでいるわけではありません。

それでも、書店を回っていると「ガイブンは売れない」という声をよく耳にします。各種データを見ると、売れている店では相変わらず好調に売れているのですけどね、なかなか全国区と言いますか,どこの店でも売れるという状況には到っておりません。

で、何故かとわれわれ出版社の人間も、もちろん書店員さんも知恵を絞っていろいろ工夫を凝らしているわけですが......

結局のところ、海外文学に日本人の関心が向いていないってことなんでしょうね? 先日のノーベル賞受賞のころのニュースで言ってましたけど、昨今の日本人は、研究者でも海外へ出て行って修業をするという人が少なくなっている,減っているそうで、日本人の内向き指向だと言われています。

さらには、最近の学生も、学生時代に留学だとかホームステイとか、そういった海外体験をしたがらないというニュースも少し前に流れていましたし、社会人でも海外赴任を嫌がる人が増えているというニュースがありました。

つまりは、日本人が全体的に内向きになっている、海外に目を向けなくなっているということだと思います。だったら、海外に行かなくても海外に行った気になれる海外文学なんてもってこいのはずなのですが、これがさにあらず。

実際には、「興味はあるけど、行きたいとまでは思わない」ではなく、「興味もなく、もちろん行ってみようなんて気はさらさらない」というところなのでしょう。

これでは、海外文学が売れるわけないですよね。

と、あたしなりに思いついた理由がこれです。不景気だからとか、面白い本がないから、なんてことはないと思います。たぶん、こういう最近の日本人の指向(嗜好)が、海外文学離れを起こしている遠因(原因?)なのではないかと思われます。

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