2010年9月11日

松園展

チケットをいただいたので、東京国立近代美術館で始まった「上村松園展」に行って来ました。

朝イチ、と言いますか、開館からそれほどたっていない時間に到着したのですが、会場はかなりの人出でした。さすが、上村松園、人気があります。意外とあっちこっちで松園展はやっている気もしますし、松園展でなくとも、近代日本美術の展覧会ですと、松園の絵も一枚や二枚は出品されていることも多いので、ここまでの人出は予想していませんでした。

で、そんな松園展ですので、過去に見たことある絵も何枚かありましたが、やはりいいですね。まず女性が美しいです。楚々として、凛とした女性たち。時代的には女性が弱い立場に置かれていた頃ですが、その中に一本筋の通った強さを感じます。

でも、あたしが松園の絵を見てステキだと思うのは、その衣裳です。着物の描き方に特に惹かれます。着物は、単にキレイであればよいのではなく、場面によって着るものが決まっています。また図柄も季節によって決まっているものです。もちろん着物だけではなく、かんざしなどの小物も、季節ごとのものを身につけるわけで、単にキレイだからといって、気に入っているからといって、年がら年中それを身につけることはできません。

当然、松園の絵には、描かれている季節にピッタリと合った着物が描かれているわけですが、たぶん、当時の日本人は、そんなこと気にしなくとも、きちんと季節季節に着るべきものをわかっていたのでしょう。松園も見たままを描けば、それで矛盾や破綻を起こさずに描けたのだと思います。

しかし、会期前期の本日、「序の舞」が見られなかったのが残念です。

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