2010年7月23日

ヘーゲルからマルクスへ

昨晩は、ジュンク堂書店池袋本店でのトークイベント「働くほどなぜ人は貧しくなるのか?――マルクス、26歳。新しい思想の誕生。」を聴きに行きました。語り手は、光文社古典新訳文庫からマルクスの『経済学・哲学草稿』の新訳を出したばかりの長谷川宏さんです。

長谷川さんと言えばヘーゲルというイメージですが、もっと学者然とした堅物な方なのかと思っていました(汗)。ところが実際には、語り口はわかりやすく、ご本人も言っておられましたが、本当にどこにでもいる「近所のおっちゃん」タイプの方でした。

個人的には、「ヘーゲルからマルクスへ」といった主題の本は何冊も出ていて、この二人の思想的なつながりを考察した本には事欠かないので、「長谷川宏さんがマルクス?」と聞いても驚きはしません。ただ、自分自身がヘーゲル哲学も知らなければマルクスも読んでいない人間なので、もっともっと勉強しなければと反省しきりです。

でも、中国思想を学んでいたあたしには、たぶんヘーゲルもマルクスも、どうしてこんなことで悩むのだろうと思うところも多々出てくるでしょう。それでも、ヘーゲルやマルクスがそれぞれの時代において、その社会をどう捉え、そして少しでもよくするためにどうしたらよいのかと苦闘した姿は、少しは理解できるのではないかと思います。

とまあ、楽しいひとときだったのですが、ひとつ大きな不満が......

ジュンク堂のトークイベントは4階の喫茶コーナーで行なわれたのですが、窓際に置いてあった植木に蟻ん子が無数に這っていて、それが窓際に座っているお客さんの背中とかを歩いていて、とても気持ち悪かったです。

蟻は嫌いではないですが、あたしのカバンの上とか手の甲などにも蟻が歩いていました。食べ物を出すところでもありますから、もう少し手入れをなさった方がよいのではないかと思いました。

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