2010年7月19日

入場者増?

数日前の朝日新聞にも電子書籍の特集記事が載っていましたが、今年の東京国際ブックフェアは昨年よりも大幅に入場者数が多かったそうです。そして、その最大の理由が電子書籍関連の出展だったとか。

さもありなん、ってところですね。

幸か不幸か、今年のブックフェア、あたしは他のブースを全く見に行くような時間も暇もなく終わってしまいましたが、iPadってどうなんでしょう? 大流行するのでしょうか?

そもそも電子書籍のコンテンツが現状のままではiPadが売れても、読書端末としては普及しないのではないかと思います。個人的には、iPad 2あるいは3くらいになってようやく読書端末として使い物になると予想しています。

これまでの日本の電子書的はコミックがほとんどだったそうで、あとはケータイ小説(←本当にケータイで読まれているもの)で、あたしの勤務先が出しているような本が読まれているとは思えません。まあ、現にそういった種類の本はほとんど電子化されていませんから読みたくても読めないのですが......

電子書籍になると「品切れがない」とよく言われます。あくまで、サーバーにデータをアップしておけばよいので、紙の本のように重版ロットなど考える必要がありません。そうなると、少部数で刊行されている学術書、専門書などにとっては有利と言われています。

でも、電子化やサーバーへのアップ、そしてそういったデータの維持、補修などを考えると、細々と学術出版をやっているような零細出版社には決して有利とは言えないのではないでしょうか? 「有利」というのはあくまで「読者にとって」だと思います。

ただ、出版は文化だ、などと言われますが、出版だってサービス業。やはり読者あっての商売ですから、「読者にとって有利」というのはやはり大きなビジネスチャンスなのではないでしょうか? 上に書いたアップロードやシステムの維持など、そういったものをトータルで提供するサービスが大日本印刷や凸版が始めようとしているみたいです。

思い出すのは、出版各社のウェブサイトができはじめた頃です。当初は格安(無料だったかな?)で出版協会がサーバーまで用意して各社に「御社もホームページを作りましょう」と薦めていました。あの頃、とりあえず表紙ページだけを「ホームページビルダー」で作って、出版書目検索は書協のデータベースにリンクされていて、という出版各社のウェブサイトが林立していました。それこそ、まさしく「雨後の竹の子」状態でした。

もしかすると、この電子書籍についても、そんな状況が訪れるのかしら、そんな気がします。 しかし、iPadのような機械で本を読もうと思うものでしょうか。前にも書きましたが、大きさは四六判の本のサイズと同じくらいに小型化して欲しいです。あるいはシステム手帳のバイブルサイズにジャストフィットなんてどうでしょう? システム手帳に収納できる電子書籍リーダーが発売されたら欧米でも売れるのではないでしょうか?

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