2010年7月 9日

とある小倉日記(1)

さて、「研修旅行に行ってきました」と書いているだけでは芸がありません。そこで何を学んだのか、何を考えたのか、そこんところが社会人としては大事なわけでして、あたしだって少しは仕事らしいことしているのよ、という面を見せなければ......(汗)

とにもかくにも、ヤングアダルト出版会の研修旅行だったわけですから、どうやってティーンズに本を読んでもらうか、それがキモです。研修でお会いした学校の先生、図書館司書の方、そして書店員の皆さん、それぞれに工夫を凝らしています。その一方、一般の図書館や書店の方にとって、ティーンズはあまり図書館に来ない世代、コミックと、たまに学参を買ってくれる程度の、正直に言ってしまえば、そこに向けて働きかけてもリターンが少ない、ほとんどないターゲットなのではないでしょうか?

それでも、こうしてヤングアダルト出版会なる団体まで作って活動しているそのわけは、この世代に「本を読む」「本って面白い」という習慣や気持ちを抱いてもらえれば、大人になっても本を読む人になってくれる、そういう期待があるからになりません。いわば「刷り込み」ですね。

コンピューターメーカーが小学校に無償や格安で自社のパソコンを提供するのも、子どもの頃に浸かったメーカーのパソコンを大人になっても使ってくれるという意識を反映しての行動です(←企業が利益も考えずに行動なんかしませんから)。

ところで、あたしたち大の大人や学校の先生、あるいは親が薦めたからって、中高生は本を読んでくれるでしょうか? あたしにはとても疑問です。もちろん、大人の意見や推薦を頼りに本を選ぶ生徒も大勢いるのでしょうが、多くは「大人が読めという本なんてつまらない」と思っているのではないでしょうか?

で、あたしは思うのですが、どの学校も読書活動は熱心にやっています。感想文を書かせたり、読書ノートをつけさせたりと、本当に熱心です。ならば、卒業生に来年度入学してくる新入生のために「自分が中学時代に読んで面白かった本」を推薦してもらい、それを感想つきで小冊子にでもまとめて新入生に配布するなんてどうでしょう? 大人ではなく先輩の意見なら生徒たちも貸す耳を持ってくれるのではないでしょうか? もちろん推薦する本は、コミックでもケータイ小説でもなんでもOK、ただし、きちんと自分の感想やおすすめポイントを書いてもらいます。学年中に一人や二人はトンでもない本を書いてくる生徒もいるでしょうが、意外と無難な、それでいて大人には驚きのラインナップが揃うのではないかと思います。

あと、読書ノートをつけさせている学校なら、その感想の一部をポップにして、図書館のその本のそばに貼ってみるというのも一案ではないでしょうか? 似たような取り組みをしている学校もあるみたいですので、その成果が聞きたい(知りたい)ところです。

読んだ感想を書く