2010年6月29日

江戸の密通

学研新書『江戸の密通』読了。

罪に問われたときは、それなりにどろどろとした後味の悪さが残るものの、意外ともみ消したり、内々で済ませたり、要は外聞をはばかる意識は、現代とそう変わらないと感じました。

というよりも、そもそも密通を起こすような男女の意識が、現代とそれほど遠く隔たっているとは思えず、人間って変わらないものだという思いを強くします。

著者が再三指摘するように、男女では女性に重く、主従では従に重い刑罰規定は、現代人から見ると理不尽ではありますが、それが封建主従関係を維持するために必要な措置だったのでしょう。そんな不公平、不条理を乗り越えて、密通をしてしまう男女が後を絶たないとは!

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