2010年6月19日

<中東>の考え方

講談社現代新書『<中東>の考え方』読了。

ニュースでしばしば取り上げられるというのに、よくわからないのがこの地域のこと。つまり、何がどうなって、どこに問題の根があって、どこへ向かおうとしているの、ということがさっぱりです。パレスチナ人って何人(?)という基本的なことすらよくわかっていないところすらあります。

で、本書を読んだわけなのですが、池上彰さん的な、項目を挙げては見開き2ページ(あるいは4ページ)で解説、というタイプの本ではありません。あくまで、中東の近現代史を丹念に、でも簡単にわかりやすく追った本です。

ユダヤ人が必ずしも全員ユダヤ教を信仰しているわけでもない、ということは以前に読んだことがあります。世界中に散らばったユダヤ人の中には、イスラム教徒もいればキリスト教徒もいるようです。(そうなると、どうもユダヤ人とは呼ばれなくなるらしい。ユダヤ人とは民族的な人種ではなく、宗教的な人種のようです。)

その一方で、アラブ人やヨーロッパ人の中にもユダヤ教を信仰している人はいるわけで、そういうところがやはりごっちゃになっていて整理されていなかったのが、これまでのあたしであり、大多数の日本人だったのではないでしょうか?

で、本書は、そういったパレスチナ問題からイラン・イラク戦争、アフガニスタン、アルカイダなど中東問題全般を広く説明してくれていますが、若干もう少し整理して手短にまとめてくれるとうれしいなあ、という面もあります。それでも、現在、最も手頃な中東入門書であることには変わりないと思います。

読んだ感想を書く