2010年6月18日

昔、似たようなことを言われた

読了した『彼女との上手な別れ方』の中で、ハッとさせられるところがありました。タイトルどおりです。本文中に出てくるセリフと同じようなことをかつて言われたことがあるのです。
あんたは人の気持ちに踏み込むのが怖いのよ。他人の本気に触れるのが怖くて、自分も本気にならないように制御してる。(P.181)
ってところと、この一連の会話の中で、もう少し先の
それでいいと思ってるんだろうけど、本当は怖くて恋人を作れないだけなんでしょ。あんたは他人を愛せないの、男女関係なくね。(P.181)
ってところです。

ここまで強い口調で言われたわけではないんですけど、高校だったか大学だったか、あるいは高校でも大学でもかもしれませんが、「人に本当の姿を見せない」とか、「開けっぴろげなようでいて、本音は絶対に見せない」とか、「他人の心にも踏み込もうとしないし、自分の心にも壁を作って誰も入れないようにしている」と言われたことがあります。

そういう意識はあまりないのですが、確かに心の深いところでは誰も信じていないかもしれません。バカバカしいと言われるかもしれませんが、あたしの心の中に入れるのは、たった一人だけで十分だと思っているのかも知れません。もちろん、あたしが許すその一人が、あたしの心の中に入ってみたいと思ってくれているかはわかりませんが......

それにしても、この本の主人公の男・ガジロウ、嫌なヤツです。まあ、こういう感動ストーリーですから最後は意外といい奴じゃん、みたいに終わるのですが、途中までは結構イヤなヤツなんです。それで、もう一人の主人公・ユウコに上のようなセリフを浴びせられるんですが、あたしもこのガジロウのように、世間からはイヤなヤツと思われているんだろうなあと、思いながら読んでいました。

自分が読みながらガジロウに抱く嫌悪感を、世間の人があたしに対して抱いているのではないか、そんなふうに思います。

もちろん、あたしは、ガジロウのように、しょっちゅう女性をナンパして、嘘八百を繰り出して手玉にとる、なんて芸当は逆立ちしたってできませんが。それに、ガジロウほどモテないし。

いや、ガジロウも本当にモテているわけじゃないことは、上のセリフでもわかりますけどね。


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