2010年6月 5日

ほむほむ、ふむふむ...

絶叫委員会』(穂村弘著)読了。

副題は「天使的な言葉についての考察」だそうで、穂村さんが日常耳にした目にした、ハッとするような言葉にまつわるエッセイです。これまで何冊か読んだエッセイに比べると、クスッと笑わせる要素には乏しいです。目の付けどころはさすがですが、意外性においても、今回はちょっと肩透かしな感もあります。



それにしても穂村さんって、東はわかるのに右はわからなかったんですね。このエピソードを読んだとき、あたし、自分が子供の頃に辞書で「右」がどう説明されているかを調べたときのことを思い出しました。その当時、たとえ難しい言葉でも辞書を調べればそれなりに説明がなされていて理解できるのですが、こういった「右」とか「上」とか、日常よく使うなにげない言葉の方が説明が難しいのではないか、辞書だとどうやって解説しているのだろうと思い、調べてみたのです。

あたしの記憶が間違っていなければ、あたしが調べた辞書では「右」は「東を向いて南の方」とありました。決して「箸を持つ方」とは書いていません。そこが、幼心にも衝撃だったのですが、この解説文にも同様の衝撃を受けました。ダブルの衝撃でした。

そんな体験があったので、穂村さんのエピソードは、それこそふむふむと思いながら読んでしまいました。

それにしても、今回は、あまり意表を突いたようなものは少なかったですね。

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