2010年4月21日

セルビア語とクロアチア語

近々、あたしの勤務先から出る本で、セルビア語・クロアチア語の語学書が出ます。はい、お察しのとおり、<ニューエクスプレス>シリーズの新刊です。

かつての<エクスプレス>シリーズの頃は「セルビア・クロアチア語」と言っていたのですが、それが同国の分離独立によって、本のタイトルも「セルビア語・クロアチア語」に変更したという経惟があります。

で、ふと思いました。この先どうなるのかな、って。

もちろん、この言葉の学習が増え、文法書から会話書、単語集など、いろいろな本が出せるような状況にならなければ、そもそも話になりませんが、ある程度そうなったとしての話です。

セルビア語とクロアチア語と、別々に出すようになるでしょうか、ということです。いや別に国が異なるだけでほとんど同じなんだから、一緒でいいんじゃない、別に言語と国家が一対一対応している必要はないんだし、という意見もあるでしょう。

でも、その一方で、別々の国として歩んでいけば、そのうち語彙とか文法にはその国ならではの変化が起こり、微妙に異なる言葉になるんじゃないか、そうなったら本も別々に出すべきだよ、という意見もあり得ると思います。

例えば、インドネシア語とマレー語はかなり似た言葉です。それでも国が異なるので、微妙な違いもあるわけで、日本ではあたしの勤務先に限らず、ほとんどの出版社は「インドネシア語」「マレー語(マレーシア語)」というように、別々に出版しています。それを言い出したら、スペインとポルトガルも似てんじゃない、という意見もできてきそうです。基本的には、国が異なれば、という感じのようです。やはり日本人の一般的な意識では、言語と国家が分かちがたく結びついているのでしょう。

5年後、10年後には、「ニューエクスプレス クロアチア語」「ニューエクスプレス セルビア語」という風に、別々に出版されているかもしれませんね。

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