2010年4月17日

ボストン美術館展@ヒルズ

朝からの仕事を終え、午後からボストン美術館展を見に行ってきました。

意外と晴れたので、六本木ヒルズは、それなりの賑わいでした。やはり、カップルが多いですね。独りで見に行ったあたしは、「チクショー」という思いを殺しつつ、会場へ向かいました。

意外とお客さんは入っているようですが、それでも美術展としてはじっくり、ゆっくりと見られる程度の人数で、一つ一つの作品を堪能できました。

では、いくつか印象的だった絵について......

まず、「多彩なる肖像画」ゾーンでは、「チャールズ一世の娘、メアリー王女」のドレスが素晴らしかったです。この光沢感、レースの飾り、とても絵画とは思えませんでした。それと、トマ・クチュールの「寡婦」の黒い衣装。作品に手を触れるなと言われますが、思わず触れたくなるような柔らかさが表現されています。

続いて「宗教画の運命」ゾーンでは「改悛のマグダラのマリア」が、色っぽさと美しさがよく出ているなあと感じます。ウィリアム・アドルフ・ブーグローの「兄弟愛」の可愛らしいこと! 今回の出品作品の仲で一番のお気に入りと言っても過言ではありません。お母さんの衣装の青もものすごくきれいな色です。

「描かれた日常」ゾーンではコローの「鎌を持つ草刈り人」の女性が美人だと思います。大地にしっかりと足で立つ健康な美しさです。ルノワールの「ガーンジー島の海岸の子どもたち」は、なんかまだ描き終わっていない作品のような印象を受けましたが、あたしの審美眼がおかしいんですよね?

「風景画の系譜」ゾーンではライスダールの「森林の眺め」を見た途端、作品名は忘れてしまいましたが、森茉莉さんの作品に出てくる森がこんな感じじゃなかったかなというインスピレーションが走りました。

「モネの冒険」ゾーンでは「ルーアン大聖堂の正面とアルバーヌ塔」が圧巻です。薄ぼんやりとした作品なのですが、それがかえって聖堂の荘厳さをよく表わしています。

「印象派の風景画」ゾーンではカミーユ・ピサロの「ポントワーズ、冬のジゾールへの道」が、絵としてはどうということも感じなかったのですが、こんな町並み好きだなあと思わせます。同じく「エラニー=シュル=エプト、雪に映える朝日」は、何年か前に行った北京の寒い薄曇りの朝を思い出します。ルノワールの「レスタックの険しい岩山」はルノワールが描くと険しい岩山も綿飴のようになってしまいます。

「静物と近代絵画」では「卓上の花と果物」が、まったくもって写真にしか見えません。すごいです。

ところで、この展覧会の図録ですが、内容は全く同じなんですが表紙違いで3種類あります。ゴッホとモネとミレーです。あたしはミレーを買いましたが......

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