2010年4月 1日

辞めました

今頃、このダイアリーがアップされた頃、たぶんあたしは成田へ向かっている電車の中です。(設定したのですが、うまく時間通りにアップロードされているかわかりません......)

成田へ何しに行くのかって? 海外旅行に決まっているじゃないですか! 別に友人のお出迎えでも、飛行場見学でもありません。

どこへ行くのか? はい、北京です。久々の中国です。心弾みます。とりあえず、4日間くらい滞在して、一度日本に戻りますが、たぶん数年間は北京に行っていることになると思います。

こんなこと、エイプリルフールに報告すると、嘘だと思われそうですが、3月31日、つまり昨日をもって、あたし、仕事を辞めました。

辞めてどうする(?)と言われそうですが、はいはい、お待ちください、今からご説明いたします。それが、この北京行きと関係しているわけですから。

もう、かなり以前から、あたしはこの仕事に向いてないなあという漠然とした思いを抱いておりまして、でもこの不景気では転職するといっても難しいですし、そもそも手に技術や資格も持っていなければ、年齢的にもつぶしがきかないわけでして、なんとなくズルズルと辞めずに働いてきたわけです。

そんな折、中国で起業した知り合いから、こっちへ来て一緒にやらないか、と最初は冗談のように声をかけられたのです。半年ほど前の話です。中国でうまく成功した日本人も大勢いますが、実際には失敗して負け犬のように日本へ逃げ帰った人の方が遙かに多く、そんな簡単なものでないことはわかっています。

声をかけてくれた知り合いも、今は中国の好景気に乗って調子いいみたいですが、一年後、二年後も順風満帆なのか、全くわかりませんし、そこまで信用して自分の将来を預けるにはためらいがありました。今の、出版不況とはいえ、最低限なんとか食べていける安定した生活を捨て、一か八かの大博打を打つなんて、という思いはあるものの、こうして迷っていること自体、既に自分の中では中国行きに心が傾いていることの証拠です。

こんな時に「幸い」という表現を使うのが正しいのかどうかわかりませんが、あたしは未婚で、つまり養わなければならない家族もおりません。年金暮らしの母がいますが、近所に妹夫婦も住んでいますし、とりあえず健康なので、それほど心配はしておりません。なんなら、北京へ呼んでもいいし。

これまた、幸いにして、あたしには日本に別れを惜しむような友人もいないので、そりゃ仕事上、同僚やお世話になった書店の方などには迷惑を掛ける部分はあるかもしれませんが、それだってあたしでなければならない必然性は全くなく、他の人で十分代わりが務まるはずです。むしろ、あたしがいなくなってせいせいする人が多いかもしれません(汗)。

というわけで、あたしとしては収入面での安定だけが不安だったわけで、それ以外では仕事上でも人間関係でも全く後ろ髪引かれるものがなく、今回の決断を下したわけであります。とはいえ、この半年ほど、北京の知り合いとは毎日のようにメールや電話でやりとりをして話を聞きました。ちなみに、その知り合いは日本人で、現地で中国人と組んでビジネスをしている人です。

本来なら、ふだん回っている書店の人には仕事を辞めることを報告し、後任を紹介すべきなのでしょうが、たまたま一月ほど前に仲良しの書店員さんに「仕事辞めるから」というメールを送ったら、かなり慌てさせてしまい、あたしもその時はついつい「冗談ですよ、ごめんね」ということにしてしまったのですが、実はそれとなく仄めかしてみたつもりだったのです。

それと、このダイアリーでも何回か書きましたが、消えるときは誰にも告げず、ある日突然フッといなくなるのが理想だったので(もちろん社内には少し前に報告しましたが)、こういう形をとらせていただきました。

それにしても、このダイアリーは、成田へ出発する前に書いているわけで、うまいことアップロードされていなかったらどうしよう、という不安があります。向こうへ着いたら、バタバタしてゆっくりウェブを見る時間もないだろうし、メールのチェックも出来ないと思います。来週にはいったん帰国するので、最悪、それまで音信不通状態になるかもしれません。(知り合いのオフィスでパソコンを使わせてもらえるかしら?)

もちろん、このダイアリーや、あたしのウェブサイトはこれまで通り続けますので、黄色い大地でネット環境が整えば、北京から<中華日記>を届けたいと思います。

では、ひとまず、再見!




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