2010年2月20日

気づいてない?

週刊朝日の読書ページで、温水ゆかりさんが、岸本佐知子さんの『ねにもつタイプ』を紹介していました。(パラパラと眺めただけなので、評者が違っていたらゴメンナサイ)

この本、数年前に単行本として出て、このたび文庫化されたというわけですが、温水さん曰く、著者がエッセイ賞を取ったことがオビにもどこにも書いていない、とのこと。ふつうはそういう惹句をオビにあしらって、より読者の購買意欲を高めようとするはずなのに、そういうことをしていないので温水さんはいぶかしんだようです。

そこで温水さんなりに理由を三つ考えて、結論としてはその三番目に挙げた理由、著者の岸本さんは自分がエッセイ賞を取ったことに気づいていない、をイチ押しとしてるんです。

あたしも、そこが妙に納得。

でもさあ、オビなんだから、著者じゃなくて出版社側で用意するもんじゃありませんか?(もちろん著者と相談はするんですけれど......)

となると、こんどはあたしなりに考えて、1)筑摩書房側はオビに受賞のことを入れようと思って提案したけれど著者が断固断わった、2)オビを作る段になって筑摩書房の担当編集者が完璧に失念していた、くらいしか思いつきません。

まさか、ウェブサイトにあれだけ書いてあるんだから、筑摩書房側が受賞を知らないなんてことはありえませんしね。

ちなみに、上記サイトに掲載されている文章には
中学、高校とつながった女子校に通っていた。人生のかなり重要な時期をそこで過ごしたというのに、何だか断片的なことしか思い出せない。
とありますが、岸本さんはある文庫の解説で、大学時代4年間の記憶も、合計で数時間しか覚えていないと書かれていたはずですが......(博士の愛した数式か?)

読んだ感想を書く