2010年2月 8日

世間も極左冒険主義?

おかしいです。信じられません。日本はどうなってしまったのでしょう?

あ、何のことかわかりませんよね?

先日の新刊『スターリン』のことです。『スターリン-赤い皇帝と廷臣たち(上)』『スターリン-赤い皇帝と廷臣たち(下)』が、なんか売れちゃっているんですよ。

いや、もちろんいいことなんですけど、出てまだようやく一週間というところで、書評なんか先の話だろうというのに、補充注文や客注の電話がよくかかってくるんです。都内(23区内)を中心に大型店などではかなりよい消化率。小さな書店でも追加、客注が来ます。

前にも書きましたけど、上巻が4200円、下巻が4600円という巨冊。今月末には5000円台の3冊目モ出る予定なんですが、なんでいまスターリンなんでしょう?

この長引く不況、アメリカ型資本主義の終焉を見るにつけ、もういちど共産主義の理想に立ち戻ろうという日本国民の意識の表れなんでしょうか? でも、だとしたら独裁者スターリンじゃなくて、せめてレーニンでしょう? あるいはマル・エンじゃないでしょうか? それなのに、それなのにスターリン。

あるいは、混迷の度合いを深める日本の政局を見るにつけ、評価はどうあれ、スターリンのようなカリスマ的な指導者を、そしてその強力なリーダーシップを求めているのでしょうか、現代の日本人が。

おいおい、それでいいのか?

でもねえ、この数年、北一輝なんかの本も売れてるみたいだし、「平成逆流」なんでしょうか?(というよりも、何か閉塞感を打ち破るものが欲しいだけ?)

しかし、白水社発の赤色革命って、それギャグですよね? いや、しかし、『ポル・ポト-ある悪夢の歴史』も売れたし、時代が「左」を求めているのでしょう。(←なんて勝手な解釈?)

もうこうなったら、トロツキーやフルシチョフとか毛沢東なんかの評伝も出しちゃいますか? チャウシェスクとか金日成なんかも面白そうですよね。

うん、うん、わかった、わかりました、あたしの勤務先の左傾化の理由が!

白水社といえばフランス、フランスといえば周恩来や鄧小平、ポル・ポトたちも留学(?)していた共産主義運動のメッカじゃないですか。中国もカンボジアも、その共産主義革命はフランスから始まったんです。

だったら、日本の出版界の赤化も白水社から始まったっておかしくないか?(←いや、おかしいでしょ!)

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