2010年2月 7日

名古屋の書店のこと

昨日のダイアリーで、碧野圭さんのブログのことを書きました。碧さんが名古屋の書店を何軒か回られたことにチラッと触れたわけですが、それで思い出しました。

この話は、もう覚えていないのですが、数年前に他の出版社の人から聞いた話です。ちょっと素敵な話だったので、このダイアリーにもかつて書いたような気もするし、書いていなかったかもしれないし、とりあえず検索してみても出てこないので、まだ書いたことないのかもしれないと思い、改めて書いてみます。

いつ頃のことかわかりませんが、名古屋のある書店さんの経営が危なくなり、もう廃業しかないという感じになったそうです。ご存じの方も多いと思いますが、名古屋の書店の方というのは横の繋がりが強くて(否、他の地区でもそうなのかもしれませんが......汗)、仲間の書店が潰れそうだと、その時も周囲の書店さんたちは思ったそうです。

そこで何をしたか?

何の本だったのかは聞いていませんが、当時売れていた本、一点だったのか数点だったのかは知りませんし、書籍なのかコミックなのか文庫なのかも知りませんが、とにかくその頃売れていた本を、自分たちの書店では一切売らないようにして、お客様に聞かれたら、その潰れそうなお店に買いに行くように誘導した、というのです。そうやって、仲間の書店の廃業危機を救ったというお話です。

クールに経済評論家然として書いてしまえば、そんな一時しのぎの焼け石に水のようなことをしたって、じきにまた廃業危機が訪れるよ、という言い方もできるかもしれません。でも、やはりそういう心意気に感じてまた立ち上がり復活していくことだって数多くあると思います。

その書店が今どうなっているのか? この数年、名古屋もまた書店地図が変わっているようですが、そういう横の繋がり、連帯感だけはなくしてほしくないなあと思います。

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