2010年2月 1日

日中歴史共同研究

ようやく出来たというべきか、新聞にも比較的大きく取り上げられています。

論調では南京大虐殺の犠牲者数に関する日中間の隔たりがクローズアップされていますが、実際のところどうなのでしょう? 中国は絶対に30万人以下は認めない、非科学的だという論調が日本では多いですが、それよりも日本側が主張する多くても20万人とする論拠をきちんと提示している(解説している)新聞はあるのでしょうか?

たぶん、こういう不毛な議論ばかりが続いていると、例えば日本人が中国へ行って南京大虐殺について聞かれても、結局は何も自信を持って言えなくなってしまいます。むしろ、中国側を攻撃するよりも、日本が主張する、せいぜい20万人説の科学的論拠をきちんと提示する方が、中国人に堂々と言い返す自信に繋がると思うのですが。

ただ、南京大虐殺だけが声高に取り上げられることの方がもっと不毛だと思いますけど......

近代以降(第二次大戦以降)が触れられていない、というのも現在の中国の体制では仕方ないか、という気もしますが、「だから中国の歴史認識は...」となってしまうと、またそれはそれで不毛だし、そのあたり、中国人だってわかっているんですよね、最近は。否、むしろ一番わかっているのは当の共産党自身であって、この経済成長と国内の安定を損なわずに国の舵取りをするにはどうしたらいいのか、一番悩みに悩んで夜も眠れない状態ではないでしょうか?

現代がすっぽり抜け落ちたと聞いて、あたしは毛沢東生誕100年(だったかな?)の年に北京の革命博物館で見た「毛主席の生涯」の展示を思い出しました。

その展示は、天安門上で高らかに共和国の成立を宣言し、新国家建設に邁進する中国で展示はいったん途切れ、そつ木のコーナーは大躍進や文革をすっ飛ばして、「改革開放に邁進する現代中国」となっていました。これが良くも悪くも、中国が精一杯国民に示せる現代史だったようです。

読んだ感想を書く