2010年1月27日

返品を減らせ!

朝日新聞「出版サバイバル」第3回は返品率のこと。トーハンや日販がそれぞれ返品を減らすために、いくつか取り組みを始めたという記事です。

再販制に絡むのですが、例えば、本屋で本が汚れてしまったとか、表紙が破れてしまったといった場合(カバーなら出版社にいって交換してもらえますけど...)、そのままでは売り物になりませんよね? ふつうなら返品して、きれいな本を改めて仕入れるのでしょうけど、そうせずに、返品しないから好きな値段で売る、なんてできないものでしょうか?

いや、定価で売れと書店に拘束をかけているのは、そもそも出版社側なんでしたっけ? だったらゴメンナサイ。

でも、業界の人間ではなく、一個人として考えた場合、返品しないんだからいくらで売ったっていいじゃない、という気がします。特に本など長い間本屋の店頭に置かれていると、照明で焼けてしまって黄ばんだような本がたくさんあります。そういう本も定価のママ売るなんて、他の業種では考えられませんよね?

ただ、ここですぐに思いつく問題なんですけど、汚れている、焼けてしまっている本なら、値引き販売オーケーとなったとします。そこで、例えば、もともとが2000円の本を1000円で売ることにしたとします。(消費税はこの際おいといて)

1000円でその本を買ったお客さんが、出版社に電話して「買った本の表紙が破れているから交換してくれ」と言ってきた場合、出版社はたいていの場合、交換に応じます。そうなると、一方で2000円で正直に買っているお客さんと、片一方で1000円で手に入れている人が生まれてしまうわけですよね?(もちろん、汚れなどの交換は、送料も出版社負担の場合がほとんどですから!)

このあたりのチェックをきちんとしないとならないでしょうね。一例として、書店で売るときに、奥付や見返しなどに「値引き販売商品」といったハンコを押すなどすれば、少なくとも上に書いたようなことは防げるのではないかと思うのですが......

しかし、これを認めると、いろいろなところで問題が、それこそこの業界の宿痾が噴出しそうですね。
 

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