2010年1月26日

書店半減

昨日に引き続き、朝日新聞夕刊の「出版サバイバル」です。

今回は書店の廃業についてで、県によってはこの10年で書店の数がほぼ半減したところもあるそうです。東京でも、場所によっては駅前の書店が廃業したりしているそうですが、地元の、長年愛されてきた小さな書店がなくなる、というのはもう10年以上言われてますよね。

ただ、皮肉めいたことを言わせてもらうなら、「愛されている」なら廃業なんかに追い込まれないでしょう? やはり地元民の愛が冷めてしまっていたのではないでしょうか?

また、こういう言い方(書き方)をすると誤解を招きそうですが、いわゆる廃業の主役である地方の小規模な書店というのは、そもそもがあたしの勤務先の本などふだんから置いてもいなければ、配本も行き渡っていないはずなので、そこが廃業したからと言って、すぐに直接的な影響があるというのでないんです。

ただ、書評とか広告とかを見た地元の人が、ふと買い物ついでに注文していこうというときに、そういった身近な書店がないというのは、1冊、2冊と「売り逃し」を起こして、ボディーブローのように効いてくるのだろうなあと思います。

そういう書店を利用していた人たちって、特に年配の方の場合、1000坪もあるような大きな書店では本を探しきれないですし、書店員さんにも遠慮しちゃって聞かずじまい、というパターンが多いのでしょう。今まで使っていた書店が廃業して、代わりに大型店が出来たとしてもほとんど利用しないのではないかと思います。

ただですね、朝日の記事の中に「書店は地域文化の象徴」という言葉があるのですが、あたし的には「出版は文化だ」と言うのと同じく、こういう「高尚なことをしているですよ」的な態度が、いまの出版不況を招いてしまったのではないかと思うのですが......



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