2010年1月13日

谷歌再見!

グーグルが中国から撤退か、というニュースは驚きでもあり、納得でもあり、ようやくか、という気持ちでもあります。

そもそも参入の時から、別にグーグルに限らずIT各社は中国政府の規制というか要望に、大なり小なり従っていた部分があったわけで、その我慢も遂に限界に達したというところなのでしょう。

単なる一企業の撤退で済めばいいのですが、これが外交問題に発展するようだと面倒なことになりそうです。でも、アメリカと中国って、お互いに表面上はケンカをしていても、裏では握手している国ですから、日本がやきもきする問題ではないのかもしれません。

日本人なら、今朝の朝日新聞に出ていた電子書籍絡みのニュースの方が興味深いですね。

閑話休題、グーグルの件です。

中国史には、モンゴル族にしても、女真族にしても、そして日本軍にしても、結局は中国から逃げ帰った歴史があります。今回のグーグルのニュースを聞いて、あたしはまずそのことを思い出しました。

西洋ならさしずめ、ナポレオンのモスクワ遠征でしょうか? ちなみにナポレオンもナチス・ドイツもモスクワ遠征には失敗していて、歴史上唯一モスクワを武力で占領できたのはモンゴル軍だけだという話を読んだことがあります。史学的なその当否はさておき、そんなモンゴル(元王朝)ですら、中国からは百年程度で撤退せざるを得なかったわけですね。

いったい中国を占領することは可能なのか?

そういえば、昔、中国の人から聞いたことがあります。いや、もしかしたら陳舜臣さんのエッセイで読んだのかもしれません。曰く、

日中戦争で、日本軍は創氏改名だとか、日本語の強要とか、あるいはレイプに虐殺なんかをしたから中国を支配することに失敗したのだ。一部上澄みの知識人を除く一般の中国人の意識としては、生命・生活の保証がなされ、食べるものを確保してくれるなら、国民党だろうと共産党だろうと日本軍だろうと、どこだって構わなかった、

というのです。確かにうなずける話です。

でも、日本軍が善政を敷いたとして、それで中国の人は本当に平気なのだろうか、という疑問がわかなくもないですが、それについても上記の話の続きがあって

はじめはどうあれ、しばらくすれば日本軍が中国文化に染まって中国語を話すようになっているはず、清朝がそうであったように

というのです。そうですね、確かに清朝の女真族は固有の言葉も失い、全く中国人以上に中国化してしまいましたから。

もちろん清朝三百年の統治だって、最後は異民族から中国を解放せよという突き上げの中で潰れていった事実がありますが、あれは多分にスローガンだった面もあるかと思います。

あたしは別に今さら日本の侵略を正当化しようとかっていうのではありません。ただ、グーグル撤退のニュースから、なんとなくこんな話を思い出したまでです。

ちなみに、タイトルの「谷歌」は中国語でグーグルのことです。あえて中国語の発音はカタカナ表記すれば「グーゴー」で、日本語のグーグルよりは原音に近いでしょうか?

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