2009年12月31日

これでよろしくて?

『これでよろしくて?』読了。

ざっとストーリーを書いてしまうと、主人公は30代半ばの主婦。子供はナシ。夫と二人暮らしです。ひょんなことから年齢も職業もバラバラな4人が月に一回集まって、ああだこうだとたわいのない話をする「これでよろしくて?同好会」に誘われ参加するようになります。

一方、主人公夫婦のマンションには、夫の妹が短い期間居候をしにやってきて、彼女が帰ったと思ったら今度は義母が転がり込んできます。義母の居候は数ヶ月に及び、表面だっては嫁姑問題は起きないものの、主人公の心の中にはもやもやしたものがたまっていきます。もちろん、夫はそういう妻の心の葛藤には無頓着です。

義母が加わった、夫との生活の中で主人公は自分の抱えている悩みを膨らませていくものの、「これでよろしくて?同好会」の活動によって自覚していない(自覚できていない)悩みに気づかされ、同好会メンバーの話を聞きながら肩に背負っているものを下ろしていきます。

義父の入院という緊急事態で義母との同居は解消されますが、義父母と暮らす義妹(主人公の夫はさん兄弟の長男、弟が結婚して親と同居し、さらに未婚の妹も実家で暮らしています)の存在が、同じ嫁という立場なので何かと気になります。

結局、主人公は周囲を気にしすぎるから悩むんだという、至極まっとうな結論に達し、一皮むけて大団円ですが、言ってしまえば、同好会シーンのガールズトークにしても、姑との関係にしても、そしてその時の夫の態度にしても、どれもきわめてありきたりで、過去に文学やドラマ・映画で何度も描かれたものです。

ウジウジしていて自分の意見をサバサバと口にできない主人公が自分勝手に悩み落ち込んでいく物語は、あまり好きではありませんが、世間にはこういう人が多いのでしょうね。

あたしなどは人の意見も聞かずに自分の言いたいことだけはっきり言ってしまうタイプなので(言われた相手の気持ちも考えずに)、こういう主人公が抱えるような悩みには無縁ですね(そもそも結婚してないから嫁姑問題なんてありえないし)。

それに「これでよろしくて?同好会」にも入れない(入れてもらえない)でしょう。あまりにも身勝手なので。あたしは、他人の悩みが理解できないですからね。たぶん、同好会に入ったとしても「そんなことで悩んでるなんてバカみたい」とか言いそうです。そしていずれ「あの人、同好会やめてくれないかなあ」と回りのメンバーに思われるようになるのだと思います。

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