2009年12月15日

絶対売れる(?)語学書

語学書の市場は熾烈です。いや、もっと過酷な競争をしている(強いられている?)ジャンルはあるかもしれませんが、あたしの勤務先で出している本のジャンルで言えば、語学書は結構たいへんな部類に入ります。

英語はほとんど出していないのでメインとなるのは諸外国語と呼ばれる分野です。諸外国ごと言ってもかなり広いのですが、その中のメインと言えるのが中韓仏独で、次いで伊西露あたりになります。

これらの言語に関しては語学専門の出版社のみならず、いわゆる実用書系の出版社もかなりの点数を出していて、そういうところは2色刷やフルカラーで、しかも抜群に安い商品をこれでもかという感じで出してきます。

語学書系の出版社には、定価にしろレイアウトにしろ、とても真似の出来ない、太刀打ちできないやり方で、ごく一部の例外を除いては書店の語学書売り場の棚の一等地は、そういう実用書系出版社の語学書に席巻されています。見た目もカラフルで楽しそうな実用書系の語学書は売り場の棚が華やぎますから、こういう結果になるのも当然と言えば当然かもしれません。

しかし、こちらも手をこまねいているわけにはいきません。ない知恵を振り絞り、手を変え品を変え、こちらも平台を奪い返すべく、創意工夫に満ちた語学書を出していかなければなりません。

ところで、平台とか面陳ではそんな状況なのですが、語学書系出版社が出す語学書は入門期以降の読者には支持されているので、派手ではないですが面陳や平積みになってはいなくとも、それなりに棚から地味に売れてはいるのです。

でもやはり、たまにはばーんと積んで、どんどん売れるような本も出したいじゃありませんか? あたしも書店を回っていますと、とりあえずそれにふさわしい著者が見つかるかはおいといて、「こんな本があればいいのに」「このジャンルなら売れるのでは?」というアイデアだけは浮かびます(そうしばしばではないですが......)。

そんな中、最近思いついたのがあります。それは

痩せるXXX語

です。

えっ、胡散臭いですか? でも、絶対ヒットすると思うのですけど。とりあえず科学的根拠は二の次です。でもよく語学に堪能な方が「血のにじむような努力をして」とか「人の何倍も努力して」とかって言うじゃないですか。なので「身を削るような努力をして」というキャッチに引っかけて、「身を削る→痩せる」という三段論法です。

痩せながらフランス語をマスター! 中国語がしゃべれるようになって、しかも痩せられる!

となったら、OLや女子大生が一斉に飛びつくのではないでしょうか? もちろん、最近ブヨブヨしてきて重力が憎らしいとお嘆きの韓流ファンのおばちゃんたちにも受けること間違いなしです。

痩せる中国語、痩せる韓国語、痩せるフランス語、痩せるドイツ語、痩せるイタリア語、痩せるスペイン語、痩せるロシア語......

どうです? 痩せるシリーズ。どっかの大学の健康学とか保健学の先生とタイアップして、それなりに科学的根拠を備えた語学書シリーズ作れないでしょうか? 絶対売れると思うのですが? ヒット商品番付で西の前頭二枚目くらいには入れそうじゃないですか?

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