2009年12月14日

ベストセラー解剖学

先日WOWOWで放送されたドキュメンタリー「ベストセラー解剖学」ですが、HDDに録画しておいたのをこの週末に見ました。村上春樹の『1Q84』を中心にゼロ年代のベストセラーの生まれた背景を解説するという番組でした。(ちなみに12月31日に再放送があります。)

予想通りと言いますか、知った顔が何人も出ていましたが、だからこそ取り立てて新味はないですが、ベストセラーの影に、どれだけ売れずに(読まれずに)消えていく本があるのかということを考えると悲しくなります。

それに番組では出版会の抱える構造的問題にはほとんど触れずじまいでしたし、そういう意味では現状分析の番組であって、問題的の番組ではなかったな、というのが感想です。

いずれにせよ、本に限らず、自分では判断できない消費者(購買者)がいて、何かのきっかけで評価されると猫も杓子もそれに飛びつくという現象はこの十年の特徴ですね。本に関しては目利きとして書店員のPOPが有効なんでしょうけど、書店員の一言に頼らず、自分自身で本を選べるような読者が増えることを期待したいです。

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