2009年10月28日

ノーサンガー・アビー

ちくま文庫版の『ノーサンガー・アビー 』読了。

ジェイン・オースティンは、これまでずっと同じちくま文庫で読んできましたが、これまでの作品は、実はそれも同じような感じがして、だんだん飽きが来ていたのも事実です。ところが本書はこれまでとはガラッと変わって、面白く読み切りました。

確かに、現代の小説と比べるとストーリー展開にしろ人物造形にしろ、物足りないところだらけですが、古典中の古典として考えれば、やはり流石の出来栄えなのではないでしょうか?

これまでの作品と異なるのは、やはり主人公の身分というか家柄が高すぎず、非常に親しみやすい育ちであることが指摘できると思います。また、これまではどちらかというと主人公の家庭の中でのやりとりや生活が長々と語られることが多かったのですが、本作では主人公の家はほとんど出てきませんし、家族もほんの脇役程度の登場のみです。

このあたりが、これまで読んだものとの違いを際立たせているのだと思います。

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