2009年10月14日

モイラ

モイラとは森茉莉さんの『甘い蜜の部屋』の主人公の美少女の名です。一目見ただけで周囲の男たちの心を搦め取ってしまう少女として造形されていますが、あまりにも「魔」すぎて、具体的なイメージが浮かびません。

ただ、モイラの周囲の男たちのように、一人の女性に入れあげるという気持ち、恋人イナイ歴=年齢というあたしでも、わからなくはないです。(←どうわかるのかと問い詰められても困りますが......汗)

それにしても、森茉莉さんの独特の文体、漢字の使い方、句読点の打ち方、最初は違和感ありましたが、それを言い出したら作品世界そのものが違和感というか異世界の物語なので、ひたすら作品世界に没入するしかないです。幸いにも、あたしには読み進めるうちに気にならなくなりました。特に独特の句読点の打ち方は、ああ、こういう呼吸をしているんだなということがわかって面白いです。

閑話休題。

最後には死者が出るほど、のめり込むような恋、愛ってどんなものなのでしょう? 他人を愛することも、他人から愛されることも知らないあたしにはあくまで想像(妄想)の世界でしかありませんが、ただ、他のことには一切目もくれず、ひたすらその人だけを想うっていうのはピュアでいいんじゃないかと思うのですが、どうでしょう?

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