2009年10月13日

ことば汁

ことば汁』読了。いつだったか、あたしもこんな夢を見たなあという気のする短編が並んでいました。ほのぼのとした幻想的な作品を期待すると思いっきり裏切られます。かなり毒もあれば、人間のあざとさも描かれています。

もしかすると、ものすごーく大きな勘違いをしているのかもしれませんが、あたしとしては角田光代さんの描く作品の毒に通じるものを感じます。ただ、角田さんはあたしとほぼ同い年、小池昌代さんはあたしや角田さんよりももう少し上の世代。その世代の差だけ、毒にも差があって、でも、あたしなんか、このままあと数年もしたら、小池さんの描く作品世界の毒を、地で生きているのではないか、そんな気がします。

あと、ほとんど作品に共通するのは、50絡みのお一人さまが物語の主人公であるということ。これがまた、今のあたしにはとても切なく響きます。

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