2009年10月12日

痴漢冤罪

先週の出張中にフジテレビ系でやっていた「誰かが嘘をついている」ですが、HDDに録っておいたので見ました。水谷豊主演の裁判ドラマですね。内容は、出勤途中の電車内で、女子高生にいきなり痴漢しましたよねと言われ逮捕される水谷豊が無罪を勝ち取るために裁判を戦うというストーリーです。

もうオンエアされたドラマですからネタバレもいいと思いますので書いてしまうと、最終的には、本当に何万分の一かの確率で出現した証拠が決め手となって無罪を勝ち取ったわけですが、あれがなかったらほぼ間違いなく有罪、それは冤罪なのですが、現状ではそうなってしまうのでしょうね。痴漢事件って、疑われた男性にも被害にあった女性にも後味の悪さが残ります。

世間では女性車両だけではなく男性専用車両が欲しいという意見すら聞かれる昨今、両腕を常に上に挙げて電車に乗っているサラリーマンもいるとか。あたしも日々、超満員ではなくとも、それなりに混雑している中央線を利用しているので他人事ではなくドラマを見ました。

もし自分が水谷豊の立場だったら、と思うと、やはり無罪を主張し続けたいですが、あそこまでの固い意志があたしにあるかどうか、自信がないです。幸い、あたしの場合、たいてい電車の中では本を読んでいて、両手が塞がっていることが多いので、あまり痴漢を疑われる可能性が低くなっているとは思います。ただ、風体容貌で疑われたら、うーん、申し開きができません(汗)。

今回のこのドラマ、あくまで水谷豊演じるサラリーマン一家の家族愛というかお互いの信頼が主軸であるのですが、ドラマのストーリーとしては実際に女子高生は痴漢に遭っています。決して彼女の狂言ではありません。(最初は、当たり屋的に言いがかりをつけて示談金を巻き上げようとする、たちの悪い女子高生かと思っていました。)

水谷豊が無罪を勝ち取る証拠というのも、水谷豊とは別の人物が、当の女子高生に痴漢を働いている盗撮映像です。彼女が痴漢被害にあったことは間違いのない事実です。しかし、ドラマの中では真犯人は闇の中、逮捕されもせず、今も電車内で痴漢を働いているのだろうと思われます。女子高生の無念が、後味の悪さを残すドラマです。そして、そういう杜撰な初動捜査をしてしまった警察や、思い込みだけで手続きを進める検察に対して、このドラマは精一杯の皮肉というか告発になっているのでしょうけど、ドラマの中では警察・検察どちらからも謝罪もなければ反省の弁もなくドラマは終わります。そういうところが、ますますもって後味の悪さになっています。

それはともかく、三連休も終わって、明日からまた仕事です。満員電車の中ではくれぐれも気をつけたいと思います。

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