2009年10月 2日

通勤電車でよむのは?

というわけで昨晩のトークセッション。小池昌代さんの新刊『通勤電車でよむ詩集』に合わせてのイベントでしたが、小池さんがかつて勤め人をされていたころ、通勤電車の中で詩集を読んでいたそうです。今の世知辛い世の中、詩との出逢いによって少しでも疲れた現代人を癒すことができたらと、そんな思いもこめて新刊は生まれたそうです。

対談パートナーの穂村弘さんも勤め人時代があり、席上片道1時間45分もかかる通勤で、着いた頃には疲労困憊でとても仕事にならなかった、だから行き帰りの車中は漫画くらいしか読めなかった、そうです。

あたしは、もちろん勤め人です。現役バリバリの社会人です。だから通勤の苦痛はわかります。でも学生時代に現在の中央沿線に引っ越して、そのあまりの混雑で腰を痛めてしまい、それ以来ラッシュを避けるようにしてます。

ふつうなら遅く避けるのが一般的(?)な出版社にあって、あたしは入社以来徐々に出社時間が早くなるという生活を送っています。入社した頃は9時10分前くらいに出社してましたが、それが20分前、30分前、1時間前となり、1時間半前、つまり7時半ころに出社するのが常態となりました。編集部時代に中国語辞典の追い込みの時期は、さらに30分早く、毎朝7時に会社に行ってました。(そのぶん残業はしません!)

だから、比較的のんびりと本を読むことができます。途中から徐々に混雑はしてきますが、それでもすし詰めと言うほどでもないですし、事故でもない限りはそれほど苦痛を感じることはありません。強いて言えば、朝早すぎるので、女子高生が車中に少ないことが不満と言えば不満です(爆)。

それはそうと、あたしは武蔵小金井からお茶の水までの通勤ですが、人によっては立川や八王子、高尾、さらにはもっと遠く大月や甲府などから通勤している方もいるでしょう。それぞれ大変だと思いますし、それが詩であるかどうかはわかりませんが、なにかしら癒しになるようなものがあれば、という小池さんのような優しい気持ちもわからなくはないです。そして穂村さんが言うように、そんな(本を読むような)体力すら残っていない、ひたすら座って寝ていたいというサラリーマンの心中もわかります。

でも、そうではなくて、そういう通勤地獄のサラリーマンを尻目に、立川や八王子から高尾、大月方面へ通勤している人だっているわけですよね。そういう人の心の持ちようって、どうなのでしょう? そういう方は、逆方向のすし詰めの電車を見るだけで、既に優越感に浸れているのではないでしょうか?

しばしば、あたしはそんなことを考えます。

さらに例を挙げれば、東武東上線なら、志木や川越から池袋に向かうのではなく、川越から東松屋や森林公園に通勤する、小田急線なら町田や新百合ヶ丘から新宿へ向かうのではなく、本厚木から小田原へ通勤するというような方々の心の持ちようです。

逆方向の通勤電車で読むならば、小池さんはどのような詩をセレクトされるのでしょうか? 興味があります。

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